史料で読み直す菊池恵楓園、ハンセン病問題の歴史
発刊にあたって(菊池恵楓園入所者自治会会長・志村康)
凡例
ハンセン病とは
隔離政策とは
概要
恵楓園敷地の変遷
恵楓園年表
序章 皆で立ち向かう病、自己責任とされてしまう病
第1章 隔離政策の開始と療養所の設立
身寄りの無い患者と宣教師による救済活動
九州癩療養所の誕生
開所期入所者の実像
第2章 開所期療養所の生活と入所者の抵抗
入所者に提供された生活の場と治療
入所者取締規則と違反行為
入所者が抱える個別の事情
宗教と労働―療養所による患者慰安の試み―
第3章 入所者統制の強化と施設の拡充
監禁室の設置
空堀とコンクリート屏に囲まれた場所へ
生活に対する取り締まり
設備の充実と慰安の提供
克服できなかった入所者の不安
第4章 隔離政策の推進
法律改正による収容対象範囲の拡大
皇室の「御仁慈」として推進された患者の隔離
癩予防協会の活動
「無癩県運動」の実態
第5章 自治会の誕生と活動の展開
患者作業と入所者の報われない思い
様々な入所者団体・組織の登場
自治会の結成
自治会事業の展開
自治会による制度・生活規則の制定
過熱する自治会活動
第6章 “村のような”療養所
閉ざされた世界
様々な境遇を抱えた入所者たち
療養所の景色―建物と施設―
療養所の景色―年中行事―
療養所の景色―祈りと弔い―
療養所の景色―衣食住―
与えられなかった自由、奪われた可能性
療養所最大の罪―人工妊娠中絶手術と優生手術―
第7章 治療研究と患者の権利
顧みられなかった入所者の意志
解剖の実施と骨格標本の作製
軍との共同研究で開発された薬―虹波―
第8章 戦争と療養所
国民意識の高揚と紀元二千六百年式典
問題視される本妙寺患者集落
患者集落の解体
閉鎖される回春病院
国立療養所菊池恵楓園の誕生
皇室を崇敬する施設の建立
厳しさを増す生活
苦しみのなかで迎えた終戦
注解
解説