軍部の昭和史　上

序論－視点と枠組み
問題－十五年戦争期の政軍関係をめぐって
仮説－「非文民支配型」と「合法的・間接支配」
分析の枠組み
　
第一部　軍内の抗争と政治進出
軍部の政治的地位
構造的要因
状況的要因
軍内における革新勢力の形成
バーデンバーデンの密約から一夕会まで
桜会と民間右翼
三月事件・十月事件と満州事変
三月事件
満州事変と十月事件
満州事変の処理と政局
政党政治の崩壊と軍内の派閥争い
五・一五事件と政党政治の終焉
軍内の国家革新運動と派閥争い
二・二六事件への道
中間内閣期における政軍関係
二・二六事件
「昭和維新」計画の進展
二月二十六日未明の襲撃
上層部の対応
裁判
　
第二部　幕僚政治と間接支配の定着
二・二六事件後の陸軍
粛軍と軍部大臣現役武官制の復活
新たなる下剋上
陸軍幕僚の政治化
広田内閣と陸軍
宇垣内閣の流産
石原の満州派と政治介入の限界
林内閣と石原のプラン
石原の挫折とその後の林内閣
合法的・間接支配の定着
　
第三部　間接支配期の政軍関係
第一次近衛内閣日中戦争
日中戦争初期における政軍関係
近衛内閣のイニシアチブによる軍部抑制の試み
第一次近衛内閣の敗北
枢軸陣営への道
防井協定－陸・海軍と外務省
防共協定強化をめぐる紛糾