図書目録ベースボール ト ニホン センリョウ資料番号:000068112

ベースボールと日本占領

サブタイトル
学術選書;100
編著者名
谷川 建司 著
出版者
京都大学学術出版会
出版年月
2021年(令和3年)11月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
xvii,311p
ISBN
9784814003723
NDC(分類)
783
請求記号
783/Ta88
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
原タイトル:Baseball in occupied Japan US postwar cultural policy 原著(Kyoto University Press, 2021)の日本語版 参考文献表:p296-305
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

目次
序論 マッカーサーのスポーツ奨励策
占領軍=アメリカの国益を追求する為政者/飴と鞭の二つの側面を併せ持つ占領政策/3S政策による被占領国民の不満のガス抜き/二大リーグ制度とコミッショナー制度の導入/〝見るスポーツ〟と〝科学的トレーニング〟/アメリカの対外文化外交政策とJ・ロビンソン
第1章 野球の復興と日米関係
スポーツを通じての民主化
ベーブ・ルースと日米大野球戦/〝ストライク・ワン〟改め〝ヨシ一本〟/スポーツと民主主義/野球復興事業責任者=W・マーカット
東西対抗戦の実施
東西対抗戦で露呈した戦後の問題
天皇とベースボール
熱烈なプロ野球ファンとしての著名人/現人神からスポーツ好きへの天皇の変身/早慶戦へのマッカーサーの祝辞
 
第2章 占領下日本のスポーツ改革
改革を迫られた武道
戦後に異なる道を選択した柔道と剣道/スポーツとしての柔道を目指した講道館
大相撲の興行改革
双葉山の宗教スキャンダルと相撲協会改革/メモリアル・ホールと大相撲の露天興行
プロ野球における二大リーグ制への模索
短命に終わった国民野球リーグ
科学的スポーツとしての拳闘
拳闘から新時代の呼称としてのボクシングへ/無謀だったピストン堀口のカムバック/科学的トレーニングで頂点を掴んだ白井義男
 
第3章 武士道の延長としての剣道への弾圧
スポーツにおける民主化促進阻害要素の排除
占領期は〝剣道冬の時代〟という言説
武士道の延長としての剣道
〝チャンバラ禁止〟と剣道への弾圧/王貞治の真剣での素振り
占領期における武道政策の流れ
撓競技への言い替え
学校剣道の禁止と大日本武徳会への解散命令
占領政策開始前の武道政策の検討/大日本武徳会の解散・財産没収
「道場剣道」と「警察剣道」への対応
警察や道場での稽古の継続/剣道・柔道を学ぶ占領軍スタッフ
処分される剣道具の野球用具への転用
面金のキャッチャー・マスクへの改造
「剣道への厳しい弾圧」という幻想
警察剣道の訓練中止/占領期は本当に〝剣道冬の時代〟だったのか?/新生剣道の強調による生き残りへの模索
 
第4章 CIE映画を通じてのスポーツ普及
アメリカの対日映画政策のコンテンツとしてのスポーツ
さまざまな映画フォーマットでのベースボールの利用
CIE映画の概要
CIE映画においてスポーツの占めていた位置
占領期間中に公開されたCIE映画の本数/ベースボール/スポーツを扱ったCIE映画
一九五〇年における一都三県のCIE映画上映記録分析
ベースボール/スポーツを扱ったCIE映画を見た人の数/ベースボール関連CIE映画八作品の概要/少年野球リーグの理想と目的/スポーツ関連CIE映画五本の概要/アダプテーション作業と公開月/一都三県のCIE映画上映記録から何が読み取れるか
福島県におけるCIE映画上映報告書
福島県CIE映画上映報告書から読み取れるもの/CIE映画を見た観客の感想
アメリカの対外文化外交政策の中での情報・教育映画
『ボールプレイヤーズ』/『ベースボール・トゥデイ』
 
第5章 VOAラジオ番組におけるジャッキー・ロビンソンのイメージの利用
背景としてのメジャーリーグ・ベースボールにおける人種の壁の打破
稀有なアスリートとしてのジャッキー・ロビンソン/愛国者としてのジャッキー・ロビンソン
VOAの歴史と日本での展開
戦時情報局の情報プログラムとしてのVOA/VOAの日本向け放送の歴史/VOAのキラー・コンテンツとしての野球放送
VOAプレス・リリースにみるベースボール関連放送の具体例
VOA放送プログラムにおけるスポーツの比重/日本向けベースボール関連放送プログラム/オールスター・ゲームとVOAスポーツ・エディター=ボブ・アリソン/ボビー・シャンツと「アメリカから日本の人々へ」/
ジョー・ディマジオが日本のリスナーに語り掛けるインパクト/日本での試合が現役最後の試合となったディマジオ/ヤンキース名監督ケイシー・ステンゲル
VOA「ジャッキー・ロビンソン:リーディング・ベースボール・スター」
日本人向けのジャッキー・ロビンソン登場の番組/近東向けのジャッキー・ロビンソン登場の番組/南米向けのジャッキー・ロビンソン登場の番組/フィリピン向けのジャッキー・ロビンソン登場の番組/アメリカの文化外交政策としてのジャッキー・ロビンソンの利用
 
第6章 映画・雑誌・漫画におけるジャッキー・ロビンソンのイメージの利用
伝記映画『ジャッキー・ロビンソン物語』
本人主演による伝記映画/日本で公開されなかった事情/占領下日本では封印されたアメリカ国内の人種差別の描写/USIAにおける黒人アスリートの利用
活字メディアおよび漫画によるジャッキー・ロビンソンの物語の流布
野球雑誌におけるロビンソンの物語の流布/子ども向け漫画におけるロビンソンの物語の流布/シリーズ化されたベースボール・ヒーロー物/日米で同時出版されたロビンソンの漫画の相違点
ロビンソンが受けた差別についての表象
アメリカにおける黒人差別の表象/メジャーリーガーとなったロビンソンの試練/日本人にはなじみの深い艱難辛苦の末の栄光の物語
ロビンソンらによって実践された道徳的にお手本となる行為・考え方の表象
差別を克服するのに必要な、力のある白人のサポート
英語版から日本語版に翻訳されるに当たって加えられた変更点
恋愛の要素がカットされた日本版/日本人読者にとって理解しやすくするための工夫
日米二つのヴァージョンの漫画からわかること
アメリカの強力なリーダーシップの許で努力すべき日本国/映画よりも差別描写のチェックが緩かった漫画メディア/ディマジオ同様に日本での試合が引退試合となったロビンソン
 
第7章 サンフランシスコ・シールズとコカ・コーラ
野球復興の総仕上げとしての日米野球復活
サンフランシスコ・シールズというチームの立ち位置
日米野球ビジネスと親善目的の強調
マーカットの横顔とベースボールへの情熱/GHQが勧進元となるビジネスのための理論武装/シールズ来日にかかわるコストの試算
シールズ来日狂想曲
日本の野球界と映画界の緊密な関係/シールズ来日のインパクト/オドール監督との握手写真があだとなった横綱前田山/来日中のシールズの戦績/〝オドール・デー〟開催の真相
コカ・コーラ社とペプシコーラ社
メインの広告主としての両コーラ・カンパニー/コーラ・カンパニーの日本人向けビジネス
シールズ来日とその副産物
スポーツを通じての相互理解とシールズ帰国後の状況/ウォーリー与那嶺の日本球界での活躍/その後の日米野球の発展
終章 スポーツは民主主義促進の役に立ったのか
GHQは日本文化を破壊したのか/押し付けではなくアメリカから学ぼうとした日本人/アメリカによる対外文化外交政策の中でのベースボール/OWI、国務省、USIAと受け継がれたスポーツを用いた政策/スポーツは民主主義促進の役に立ったのか
あとがき
参考文献表
索引(人名/事項)

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