図書カイイ ト ナショナリズム000068101

「怪異」とナショナリズム

サブタイトル1~10
編著者名
茂木 謙之介 編著/小松 史生子 編著/副田 賢二 編著/松下 浩幸 編著
出版者
青弓社
出版年月
2021年(令和3年)11月
大きさ(縦×横)cm
21×
ページ
370p
ISBN
9784787292629
NDC(分類)
388.1
請求記号
388.1/Mo82
保管場所
閉架一般
内容注記
監修:怪異怪談研究会
和書
目次

はじめに(茂木謙之介)
第1部 戦争と教化
戦意高揚物語への接近と離反 ――泉鏡花「海戦の余波」における〈人間ならざるものたち〉の役割(鈴木彩)
典型的な戦意高揚物語のなかで
「海は日本の友達」の妥当性
千代太が知らない海の姿
出征する〈異類〉と〈異端〉のナショナリズム ――「軍隊狸」を中心に(乾英治郎)
「軍隊狸」と〈不気味なもの〉
赤い〈狸〉と白い〈神〉
不死身の〈狸〉と血を流す〈神〉
恋する死者たちの〈戦後〉 ――『英霊の聲』と文学的なるもの(松下浩幸)
天皇への「恋」
「神」と「人間」
加藤典洋と三島由紀夫
主体と〈文学〉的なるもの
二十世紀前半の史蹟保存事業と史蹟の怪異(齋藤智志)
近世期における史蹟と怪異
近代の史蹟保存事業と怪異の扱われ方
怪異の湧出・共存
[コラム]亡霊となる戦死者(川村邦光)
 
第2部 政治と革命
怪異と迷信のフォークロア ――佐藤春夫「魔鳥」「女誡扇綺譚」における〈植民地的不気味なもの〉(堀井一摩)
台湾原住民のフォークロア――「魔鳥」
台湾漢民族のフォークロア――「女誡扇綺譚」
テロルの女たちはなぜ描かれたのか ――宮崎夢柳「鬼啾啾」の虚無党表象をめぐる一考察(倉田容子)
虚無党の表象と「残虐趣味」
「鬼啾啾」におけるイデオロギーの揺らぎ
秩序の揺らぎと「おぞましきもの」
〈怪異〉からみる二・二六事件 ――北一輝と対馬勝雄におけるオカルト的想像力(茂木謙之介/大道晴香)
二・二六事件をめぐるオカルト的想像力と『霊告日記』の射程
陸上自衛隊弘前駐屯地「対馬勝雄関係資料」と対馬の思想と行動
対馬の神霊観
「霊界通信」の源泉①――郷里の巫俗
「霊界通信」の源泉②――霊術への関心
マルクス主義的陰謀論の諸相 ――デリダ・ジェイムソン・太田竜(栗田英彦)
社会科学と陰謀論――近年の研究動向の概観
デリダとアイク
ジェイムソンとコールマン
太田竜における陰謀論と終末論
井上円了の妖怪学と天皇神話(井関大介)
『妖怪学講義』における天皇神話
円了の倫理学と日本主義
「術」と「方便」の思想
[コラム]戦争と妖怪的なるもの、三題(成田龍一)
 
第3部 合理化とモダニズム
大佛次郎「銀簪」と近代的怪談 ――山田風太郎創作メモ「小説腹案集」より「雪女」の記載を手がかりに(谷口基)
風太郎の初期傑作「雪女」について
「小説腹案集」五九の「雪女」について
若き風太郎の怪談観と大佛次郎の「銀簪」
「近代的怪談」としての「銀簪」
「銀簪」初出テクストから削除されたもの/残されたもの
中井英夫「虚無への供物」考 ――〈戦後〉という怪談、中井英夫から寺山修司へ(小松史生子)
「虚無への供物」と二つの〈戦後〉
「お化けの正体」――天皇制と慰霊
虚言の後継者――中井英夫から寺山修司へ
浮遊する「墳墓」と永続性のゆくえ ――細野雲外『不滅の墳墓』のナショナリズムと〈怪異〉(副田賢二)
近代日本における「両墓制」とモニュメント意識の変容
散乱する「無縁墓」とその想像力
「不滅の墳墓」構想の内実とその背景
「墳墓」暴きの〈怪異〉――露出する「白骨」と土地の記憶
ページェントとしての「不滅の墳墓」――その「民衆」観と伊藤彦造
〝オカルト天皇(制)〟論序説 ――一九八〇年代雑誌「ムー」の分析から(茂木謙之介)
「ムー」の編集戦略
超古代史言説と天皇
天皇をめぐるオカルト的想像力
[コラム]新宗教における怪異とナショナリズム ――初期霊友会の歴史観と日本の位置(島薗進)
おわりに(茂木謙之介)