戦時下の日常と子どもたち
まえがき
1. 学童疎開――疎開先の学童同士の葛藤
2. 軍事教練――配属将校による旧制中学での教練の様子
3. 戦災孤児――戦災で家族全員を失った十二歳の少年のその後
4. 引き揚げ――発疹チフスに罹り、引き揚げ団から捨てられた四歳の少女
5. ガラスのウサギ――この題名で戦争体験を書いた高木敏子さんにインタヴュー
6. 庶民の生活――徴兵検査、隣組、国民服、敵性語、外食券、代用食
7. 将兵――戦死した若者の遺族に届けられた「戦死報告書」とは
8. 靖国の遺児――一九五二年~五五年『靖国神社遺児参拝文集』を読む
9. 軍法会議――戦中に軍上層部の汚職を暴き「従軍免脱罪」で死刑にされた伍長の記録
10. 短波ラジオ――発明好きの少年が自作の短波ラジオでアメリカの情報を盗聴
11. 従軍看護婦――関東軍の看護師が、戦後八路軍(中国共産党)に同行した
12. 日本軍兵士――一九三七年~四五年に死亡した二三〇万人の日本軍兵士の状況
13. 米軍宣伝ビラ――一九四四年四月十八日に投下された米軍宣伝ビラの内容。拾った少年が保管
14. 菊水隊――中国東北地方桂木肢(チャムス)、補助看護婦(十六~十八歳)の戦後の記録
15. 韓国の詩人ユン・ドンジュ(尹東柱)――治安維持法違反で逮捕され、一九四五年に獄死した韓国の詩人ユン・ドンジュ
16. 学徒動員――「ペンを捨て、銃とハンマー」を命令され、広島で爆死した中学一年生
17. 連句――一九三〇年代前半生まれの「少国民」が連句で描いた戦時の日常生活
18. ぬちどう たから(命こそ たから)――沖縄戦で敗れ、軍を脱走した将兵が当地の小母さんに助けられた話
19. 巣鴨プリズン――朝鮮人の李鶴来(当時十七歳)がBC級戦犯として裁かれた理由
20. 登戸研究所――陸軍秘密研究所で電波兵器・風船爆弾・毒物・偽札が作られていた
21. 政治的言説――原爆写真展が「政治的中立性を侵すおそれがある」と、佐世保教委が禁止
22. 戦時の教師――学徒動員された旧制高等女学校の生徒一八〇人を空襲から守った教師
23. 満蒙開拓青少年義勇軍――士官十七歳が義勇軍十五歳を指揮し、敗戦後、解散命令を出す
24. 戦時の漫才――臨監席と検閲警察官の前で行われていた演芸場
25. 朝鮮人強制連行――裵元吉さんが突然強制連行され、徴用工として働いた体験
26. 連行責任者――日本人連行者が語る自責の念にかられた話
27. 甲府空襲――十四歳の少年が空襲で熱くなったアスファルトの上をゾウリで歩くと…
28. 豊川海軍工廠爆撃――女学生二人が米軍の機銃掃射を浴び、ドブに入って助かる
29. 学徒出陣――一九四三年法文科系学生を陸海軍に入隊させたが、大学生の母親は
30. 視座転換――B29を「敵機」と叫んだら、朝鮮人の友人が「おれには関係ない」と
31. シベリアへ――旧満州にいた従軍看護婦たちがシベリアに抑留された
32. アンボンで何が裁かれたか――捕虜虐待死の罪で戦犯とされた上官は自殺し、通信兵が銃殺刑に
33. スパイにされた北大生――大学教授に飛行場を指さして教えただけでスパイとされた学生
34. 護郷隊――十七歳の少年兵一〇〇〇名が招集され、沖縄戦で最後の死闘を繰り返した
35. 外国人――一九四一年十二月八日以降、外国人を国籍で区別するようになったのは?
36. オコト姉ちゃん――戦時のトランスジェンダーの男性は召集令状を見て死を選んだ
37. 植民地朝鮮――植民地朝鮮では、日本人は「旦那さん」?
あとがき