図書オオキナ ハグルマ ノ ハザマ デ000067990

大きな歯車のはざまで

サブタイトル1~10
教育が残し得たもの
編著者名
藤原 房子 著
出版者
ドメス出版
出版年月
2005年(平成17年)9月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
277p
ISBN
4810706508
NDC(分類)
372.1
請求記号
372.1/F68
保管場所
閉架一般
内容注記
参考資料:p274-275
和書
目次

はじめに ――〝モルモット世代〟の私の火種
小さなこだわり 戦後の女性解放第一世代には違いないが 一五歳までを覆った軍国主義 手荒な教育と女性観の大きな揺れ 女性への激しいバックラッシュ
1 女の子に対する日常的なしつけ ――戦前のある家庭教育
伝統的な生真面目さと勤勉さと――明治生まれの父母 長期計画で家事教育 国策に沿った地域活動の編成と両親の参加 盲目の琴のお師匠さんから教えられた世界 一流芸術家の地方公演に出会った幸運 戦争で家庭から男性が消えて
 
2 軍国主義と精神主義の刷り込み ――小学校教育
男女同級で始まる 一糸乱れず、全体主義を形から 小学校から国民学校への転換とその意味 雪の校庭を裸足で走らされる すべての教科が軍国調に移行 女学校の入試は口頭試問だけに
 
3 日本婦道との出会い ――旧制高等女学校
「淑女の世界」への一歩 疎開生徒が気づかせた小さな自由 英語は敵性語、授業時間数も制限 教育内容・水準の男女間格差 女学校になぜ「高等」が付いたのか 近郊農村地区への勤労奉仕 体育は教練と体力増強科目に変身 朝礼後の全校一斉「カンマ」での驚き
窮乏下の生活学習と先生方の苦心・工夫 しとやか最優先の礼法とお茶目な少女たち 三年生の春、市内の工場へ動員 敗戦の直前、まさかの福井市大空襲 罹災後に近郊工場へ再結集
 
4 民主主義教育への急激な転換 ――焼け跡の女学校生活
校舎全焼、五カ所に分散して女学校再開 ミュージカルに出演! 占領軍から矢継ぎ早の改革の指示 学校ストライキとその意外な余波 仙花紙の教科書すら足りなくて 焼け跡のバラックに全員集合 生徒自治会こと始め 手さぐりの文化祭実現で得た一体感
憲法施行の祝賀旗行列と新しい催しでの刺激 ナマの英語にふれた大ショック 混乱から抜け出すための受験 女子の進路を制約する周囲の反応 夜行列車で往復、電車の自動ドアに驚き 高校三原則の残した波紋 旧制女学校最後の卒業生?
 
5 戦後の六・三・三・四制教育のもとで ――新制大学
五感で触れ、感動した「大学なるもの」 進学先の選択を左右した言葉 キリシタン禁制の高礼撤去から四五年後の創立 知識より見識、人材よりも人物を、と 経済科・歴史科創設の意外なきっかけ 白亜の本館、校舎群の再現
戦争非協力と言われたこと 学寮で暮らした幸せ 「勉強板」という名の独自の発明品 連帯を問いかけた共同部屋 ハメを外した野蛮なストーム 親身になるということを身をもって味わう 閉寮までの六〇年 教室ではふたたび新旧二つに分かれる
外国人教授に感じた微妙な戸惑い ご婦人呼ばわりに抱いた反発 教員免許について大学が示した見識 政治の季節をくぐった自治会活動 就職についてのクールな見方 先輩を訪ねて知った大卒女性への企業の処遇 小さな貼り紙を見て新聞社を受験
 
6 社会でのカルチャーショック ――新聞記者生活
活字の怖さを初体験 メディアの世界にも性別役割分業 「今だから言える」という話 出先で浴びた強烈パンチ 心細さと〝女得〟と ポケットの少ない女性服 初の海外取材で世界のなかの日本を実感 恵まれていた仕事環境 私自身の人権問題と共働きの継続
自分の守備範囲――生活報道に軸足を移す 飽食の時代に「もったいない」の連発 情報の送り手側からの観察 政策決定への参加体験から
 
7 ジェンダー攻撃の渦中に ――退社後見たこと
商品科学研究所の所長就任へ 初めて経験した職場でのお茶のサービス 研究所の統合により所長を辞任 ジェンダー問題の啓発資料づくり 激しい非難・攻撃始まる メディアの活発で多様な反応 全国的にバックラッシュ広がる ジェンダーを現代の伏せ字にするのか
一地方紙の綿密な検証報道 はからずも見えた国会議員の仕事ぶり 道なお遠いか「ジェンダーの主流化」 突然の終結、くすぶり続ける火種 国際的には広く定着した言葉 職業生活の最後に向き合った女性問題 なおも根っこにある意識
参考資料
あとがき