近代天皇制国家の青年団
はじめに
一、問題の所在
二、研究視点・研究方法について
三、先行研究について
(一)青年団研究
(二)満州移民関係
第一章 近代日本青年団の生成と全国組織化過程
問題の所在
第一節 近代日本青年団生成の契機
(一)近代青年団のルーツとしての報徳思想
(二)地方改良運動と青年団
(三)補習教育と青年団
(四)地方青年団組織化の開始
第三節 軍事的国民教化策と青年教育体制の整備過程
(一)内務省・文部省訓令「青年団体ノ指導発達ニ関スル件」発令の経緯
(二)国民統合政策-民力涵養運動から教化団体連合会へ
(三)軍事的国民教育体制整備-臨時教育会議の議論を中心に
第三節 全国連合青年団組織化過程
(一)青年団中央部の発足
(二)皇室と青年団の接近
(三)青年団の「自主化」と全国聯合組織化過程
第二章 地方青年団の組織化と展開-山形県を事例として
問題の所在
第一節 山形県下青年団の組織化過程
(一)山形県下青年団の組織化開始
(二)青年団に関する山形県の指示への対応-最上部の場合
(三)山形県下青年団の官製化過程
第二節 山形県下青年団の組織と性格-何がどのように変更されたのか
課題設定
(一)青年団活動目的の変更-山形県の主張
(二)地方青年団の多重構造
(三)山形県最上郡内青年団事業の特色
第三節 山形県下青年団の修養実践
(一)修養概念をめぐって
(二)山形県下青年団の身体修養
(三)山形県下青年団の精神修養-実業補習学校就学推進
(四)包括的修養機関としての山形県立自治講習所の教育
第三章 塩根川向上会設立の歴史的、社会的条件
問題の所在
第一節 東北農村の生活
(一)窮乏の東北農村
(二)東北地方の政治的不公平と東北振興
第二節 塩根川向上会設立の背景
(一)及位村の自然的、歴史的諸条件
(二)及位村の文化-秋田営林局『国有林所在町村勢』を中心に
(三)及位村の経済状況-『及位村 経済更生計画書』を参考に
第三節 及位村の国有林
(一)国有林の形成
(二)及位村の国有林形成過程
第四章 塩根川向上会の組織と性格
問題の所在
第一節 塩根川向上会と塩根川部落
(一)『塩根川向上会記録群』について
(二)塩根川部落の自治組織と塩根川向上会との対比
第二節 「会員相互の向上弥栄」実現方法-「共働」「共有」「公平」の原則
(一)塩根川向上会における活動資金分配システム
(二)「共働」の原則
(三)「共有」の原則
(四)「公平」の原則-会員福利・厚生事業と収入の再分配
第三節 塩根川向上会の存在形態と及位村青年会との共存
(一)問題の所在
(二)塩根川向上会と及位村青年会の事業
(三)塩根川向上会と及位村経済更生運動の展開
第四節 塩根川向上会の「弁論部」―新しい青年をめざして
(一)「塩根川向上会」「弁論部 部誌」について
(二)塩根川向上会で弁論会が盛んに開催された理由
(三)弁論会では何が論じられたのか―論題分析を中心に
(四)弁論会と青年思想の統制
第五章 『塩根川向上会記録群』にみる満州および満州移民
問題の所在
第一節 満州移民事業の性格と変遷」
(一)満州移民事業の契機
(二)満州移民事業の開始
(三)二〇ヶ年一〇〇戸五〇〇万人移民計画
(四)「満州開拓政策基本要綱」発表
(五)「満州開拓第二期五箇年計画要綱」策定
第二節 及位村における満州事変での戦死者の葬儀とその後
(一)本節の概要
(二)及位村における満州事変後の行事
(三)満州事変後の塩根川向上会活動
第三節 塩根川向上会会員の満州への派兵と満州移民
(一)『塩根川向上会記録群』にみる満州移民
(二)山形県における満州移民推進策
(三)及位村の満州移民推進策と塩根川向上会の対応
第四節 柘植講習会と満州移民
(一)塩根川向上会会員の柘植講習会受講の実態
(二)加藤完治による講演の衝撃
第六節 満州開拓から国内開拓へ―塩根川向上会初代会長 佐藤孝治の体験を中心に
問題の所在
第一節 孝治、満州へ
(一)日本国民高等学校北大営分校設立と移民募集
(二)一通の軍事郵便
(三)孝治、日本国民高等学校北大営分校に入学
(四)孝治、永豊鎮に入植
(五)幹部排斥事件と「大陸の花嫁」募集
第二節 「弥栄村」における矛盾の露呈
(一)満州「弥栄村」の建設
(二)土地の配分に関する矛盾
(三)農業経営上の矛盾と開拓地農法
第三節 満州「大八州開拓団」の建設と運営
(一)満州「大八州開拓団」建設
(二)「大八州開拓団」の生産組織―「共働」の原則
(三)「大八州開拓団」の負債償還構想―「共有」「公平」の原則
(四)「大八州開拓団」の厚生事業
(五)「大八州開拓団」内の生活の諸相―妻たちの回想を中心に
第四節 「大八州開拓団」―引き揚げから国内開拓へ
(一)敗戦、そして避難
(二)「共働」による難民生活
(三)引き揚げ後の「共働」体制―「手ある者は手を腹あるものを腹を」
(四)防疫・保健事業と大八州開拓農業協同組合の設立
(五)まとめ
註
はじめに
第一章 近代日本青年団の生成と全国組織化過程
第二章 地方青年団の組織化と展開―山形県を事例として
第三章 塩根川向上会設立の歴史的、社会的諸条件
第四章 塩根川向上会の組織と性格
第五章『塩根川向上会記録群』にみる満州および満州移民
第六章 満州開拓から国内開拓へ―塩根川向上会初代会長 佐藤孝治の体験を中心に
おわりに
発刊によせて