原水禁署名運動の誕生
序章 研究の視座―まえがきにかえて
一、 「原水禁運動発祥の地・杉並」とのめぐり合い
二、 出会いに恵まれて
三、 原水禁運動とオーラル・ヒストリー
四、 本書の構成
第一章 戦前・戦中の杉並区
第一節 杉並区の誕生と町内会
一、 鉄道の開設と大震災
二、 新住民と旧住民
三、 杉並の町内会
第二節 アジア太平洋戦争と町内会・国民学校
一、 戦中期の町内会・隣組
二、 女性と戦争
三、 杉並の国民学校と学童疎開
第三節 城西消費組合
一、 無産インテリの消費組合
二、 多彩な組合員
三、 班会と家庭会
第二章 敗戦と杉並の市民活動
第一節 敗戦直後の暮らしと生活協同組合
一、 敗戦後の経済状況
二、 生活協同組合の誕生と広がり
第二節 立ち上がる杉並の女性たち
一、 女から涙をとってヨイトマケ
二、 女性サークルの広がり
第三節 税金旋風と重税反対運動
一、 占領下の徴税
二、 杉並の重税反対運動
第三章 戦後杉並区政と社会教育
第一節 革新区長・新居格の誕生
一、 変わり種の区長
二、 杉並区長・新居格が残したもの
第二節 戦後改革と社会教育
一、 戦後社会教育の始まり
二、 公民館の誕生
第三節 高木区長と杉並の社会教育
一、 高木区政の発足
二、 復興と公教育の重視
三、 杉並区の社会教育
四、 高木敏雄―大正期が育てたリベラリスト
五、 新しさと古さ
第四章 占領政策の変化と杉並の市民活動
第一節 対日占領政策の変化と平和運動
一、 対日占領政策の変化
二、 レッド・パージ―逆向きとなった公職追放
三、 平和運動の始まり
第二節 一九五〇年代初めの杉並女性たち
一、 当時の杉並区
二、 暮らしと政治に目を向けて
三、 ひまわり主婦の会―共存共栄・相互扶助
四、 高良とみ帰国歓迎講演会
第三節 「逆コース」と杉並の知識人
一、 気象研究所
二、 新島繁と杉並文化人懇談会
三、 井の頭線沿線の「土曜会」―暗さの中に灯を
第五章 安井郁・田鶴子夫妻と杉並の主婦たち
第一節 安井郁の大正・昭和
一、 安井郁と東京帝国大学
二、 敗戦・占領と教職適格審査
三、 東京帝国大学法学部と教職適格審査
四、 安井郁の教職適格審査
第二節 荻窪教育懇話会と安井郁の社会教育活動
一、 地域との出合い
二、 荻窪教育懇話会―薪を一本ずつ持ち寄って
三、 社会教育活動
第三節 安井田鶴子―隅のおや石として
一、 生い立ち
二、 神戸女学院に学ぶ
三、 『杉の子』に見る田鶴子の社会活動
四、 隅のおや石として
第四節 杉の子会の誕生と杉並婦人団体協議会
一、 杉の子会
二、 杉並婦人団体協議会
第六章 ビキニ水爆実験と報道
第一節 米国の核政策
第二節 第五福竜丸の被ばくと報道
一、 久保山愛吉無線長の英断
二、 帰港と第一報
三、 新聞報道と魚パニック
第三節 マスメディアとビキニ事件報道
一、 ビキニ事件前の原爆報道
二、 『ゴジラ』と「お富さん」
第四節 揺れる日米関係
第七章 ビキニ水爆実験の影響と立ち上がる運動
第一節 被害の広がりと市場関係者の奮闘
一、 魚市場関係者の取り組み
二、 米国への補償要求と政治決着
第二節 漁民の暮らしとビキニ事件
一、 漁民の被害と焼津
二、 漁民の要求と吉田外交
三、 吉永村の青年の動き
第三節 魚商組合の運動―原水爆禁止を掲げて
一、 東京の魚商たち
二、 魚商の立ち上がり
第四節 全国をゆるがす怒り
一、 地域・団体・議会からあがる決議・声明
二、 国会論戦と国会決議
三、 最初期の署名運動
第八章 杉並区の原水爆禁止署名運動
第一節 署名運動のプロローグ
一、 最初の一カ月
二、 杉並区議会の決議採択
三、 署名運動を決意
第二節 水爆禁止署名運動杉並協議会の結成と杉並アピール
一、 緻密な戦略
二、 立ち上げ集会
三、 第一回実行委員会
第三節 原水爆禁止署名運動の展開
一、 追い風が吹く
二、 署名運動が始まる
第四節 杉並から全国へ
一、 発信基地・杉並
二、 原水爆禁止署名運動全国協議会の結成
三、 久保山愛吉・元無線長の死と国民感情の奔流
四、 原水爆禁止世界大会
終章 私たちが将来へ受け継ぐこと
一、 なぜ、杉並で原水爆禁止署名運動がおこったのか
二、 原水爆禁止署名運動の意義
三、 現代の視点で読む杉並アピール
四、 原水爆禁止署名運動と杉並区
注釈
あとがき
索引