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経理から見た日本陸軍

サブタイトル1~10
文春新書 1312
編著者名
本間 正人 著
出版者
文藝春秋
出版年月
2021年(令和3年)5月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
349p
ISBN
9784166613120
NDC(分類)
396.21
請求記号
396.21/H85
保管場所
開架一般
内容注記
和書
目次

はじめに 東条陸相が称賛した陸軍経理部
 
第一章 軍隊も予算がないと動けなかった
陸軍の予算要求と大蔵省の陸軍対策
兵器局からの要求は特に精査が必要/軍務局軍事課へは「行かぬがよい」/軍刀で脅されたのちの首相
臨時軍事費特別会計は打ち出の小槌?
予算のリミッターを外した法案/ルーチン化された要求/一万人の兵に対して航空機は二・三機
関特演という壮大な無駄遣い
問題は軍隊の数ではなく質/東条陸相のはしご外し/開戦断念で押しつけられた責任
[付録1] 在支兵力の計算方法
 
第二章 経理から見た軍隊生活
食からみえる兵士たちの日常
一人あたり一日に六合/献立を決めるのも経理!/病院船の食事は豪華/「炊事軍曹を三年やれば倉が建つ」
普段はボロを纏っても戦時は新品を
米軍戦訓広報誌にも取り上げられた修理工場/中年予備役の被服が合わない/「建築」は特殊業務
兵器勤務はどのように行われていたのか?
兵器の概念とは
陸軍軍人のお財布事情
師団長と二等兵の格差は81倍/平時の加俸/戦地に入れば給与は倍額/死亡賜金で相続争い/エリートたちは給料を二重取り
[付録2] 階級別年収まとめ
[コラム1] 日中戦争から始まった留守宅渡し
[コラム2] 中千島駐屯師団を救った経理部魂
[コラム3] 陸軍の給養向上施策について
 
第三章 補給品を確保せよ!!
缶詰狂騒曲
鳳梨缶をめぐる九ヵ月の攻防/おせちのジンクス/牛缶は最終手段食?
野戦での現地自活は命がけ
経理業務の華/野戦酒保の華麗なラインナップ
酒のためなら苦労も厭わず
日本酒の手入れも仕事のひとつ/満州産が内地産を逆転/中国戦線での酒醸造大作戦
[コラム4] 主食の大麦を馬糧に供出しろといわれても・・・・・・
 
第四章 軍需品の価格はどう決まっていたのか
言い出しっぺは「マレーの虎」山下将軍
原価計算の強制始まる/幅広い教養をもった能吏
軍需品価格計算の実際は
「適正価格主義」の採用/実際の原価計算
会計監督官は経営コンサルタント
七〇〇頁を超える分厚いデータ集
軍造兵廠特別会計のカラクリ
会計検査院と対立/現代ならアウト
主要兵器価格はおいくらか?
軍刀は一振り約二〇万円/化学兵器は貧者の核兵器
[コラム5] 加茂部隊の自動貨車調弁
[コラム6] 酒と九五式軍刀と刃傷沙汰
 
第五章 陸軍経理部の歴史
軍隊の要諦は組織と人事
二重の立場で権力を行使/異例の近衛監督部改正意見/主計課と建築課の縄張り争い
養成はいかに行われたのか
三元補充制から主計候補生制度へ/兵科将校の移籍で制度が廃止に/大学出身の経理部将校/下士官には懇切丁寧な教育/満州事変後に必要不可欠となった法律と経済の素養/バラエティに富んだ経理部幹部候補生
 
第六章 陸軍にもあった経理上の不正
日中戦争勃発で急増した非違行為
下級者の占める割合が約四〇%/四類型とその実態
[コラム7] 横領の原因は古今東西変わらない?
 
あとがき