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終戦の軍師高木惣吉海軍少将伝

サブタイトル1~10
編著者名
工藤 美知尋 著
出版者
芙蓉書房出版
出版年月
2021年(令和3年)4月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
301p
ISBN
9784829508114
NDC(分類)
289
請求記号
289/Ta29
保管場所
閉架一般
内容注記
文献:p291-295 高木惣吉略年譜:p296-301
和書
目次

まえがき
 
プロローグ 高木惣吉の人物像―七十七忌法要で語られた素顔
「今の日本が平和なのは高木さんの終戦工作のおかげ」―森元治郎氏
「〝京都学派〟は高木人脈」―鈴木成高氏
「死の休息」―石田百合子さん
「高木さんの存在は日本海軍の神経中枢だった」―扇一登氏
「戦前、戦後、外務省の仕事に協力してくれた人」―宮崎勇氏
「京都学派は高木さんの戦略と戦術の網にかかった」―高山岩男氏
内田一臣、中村悌次、二人の元海幕長のスピーチ
「何事にも必死な高木さんは偉大な師」―新名丈夫氏
 
第一部 高木惣吉の原点と海軍人生
1 貧窮の家庭に生まれる
熊本県人吉の街/最悪の家庭環境の少年時代/地元で就職、そして上京
2 海軍兵学校、海軍大学校とエリートコースに乗る
旧制中学に行かず海軍兵学校に合格/海軍兵学校を卒業、少尉任官/二九歳で見合い結婚/海軍大学校甲種学生に合格/海軍大学校を首席で卒業
3 フランス駐在、妻静江への想いを手紙に託す
4 第一次世界大戦後の情勢
5 海軍省に戻り、大臣秘書官に
ロンドン海軍軍縮会議と海軍の弱体化/海軍大臣秘書官となる
6 結核による長期療養後、海軍大学校教官として復帰
7 海軍良識派提督の更迭
8 二・二六事件の発生
9 軍務局員と海大教官を兼任
 
第二部 海軍省調査課長時代
1 初代海軍省調査課長に就任
海軍不戦派トリオが揃う/近衛文麿内閣と盧溝橋事件/張鼓峰事件の発生/ノモンハン事件起こる
2 防共協定強化問題と高木惣吉
日独政治提携強化問題/防共協定強化問題をめぐる陸海の対立/「小田原評定」を繰り返す五相会議/高木を側面から援護する元老西園寺公秘書の原田熊雄/大島、白鳥両大使の強硬姿勢/ドイツの妥協案も陸海軍が対立
3 日独伊三国同盟の成立
親英米派の阿部信行内閣、わずか四ヵ月で崩壊/日独提携に消極的な米内内閣/松岡外相、三国同盟に奔走/「新体制問題」に振り回される高木/三国同盟に海軍も同意
4 ブレーン・トラストと高木惣吉
ブレーン・トラストの編成に着手/ブレーン・トラストの陣容/京都学派に期待する高木/ブレーン・トラストの研究課題
5 「日米了解案」と高木惣吉
新駐米大使に野村吉三郎海軍大将が就任/高木、調査課長辞任を自ら申し出る/「日米了解案」には陸軍の謀略の匂い/高木、南西方面海軍民政府政務部副長に内定
6 難航する日米交渉
高木、日米交渉を注視/松岡、「日米了解案」に激怒/米国、対日石油全面禁輸発動
7 東条内閣の出現と日米開戦
日米戦争を深憂する昭和天皇/追い詰められた日本/高木、日米避戦のための秘策を進言
 
第三部 東条内閣打倒工作と高木惣吉
1 舞鶴鎮守府参謀長時代
山本五十六連合艦隊司令長官撃墜される/高木の帰京を心待ちにする調査課員
2 憲兵による「京都学派」に対する弾圧
「国内思想戦」/「世界史的立場と日本」に対する弾圧/何に東条は激怒したのか?
3 松前重義と海軍省調査課
松前、物動計画の杜撰さを痛烈に批判/松前、懲罰召集される/暗殺団の標的になった松前重義
4 高松宮と細川護貞
5 高木、東条・嶋田の戦争指導体制に絶望
6 高松宮、東条独裁体制の崩壊を図る
7 高木、岡田啓介元首相に伏見宮工作を依頼
8 高木、嶋田海相更迭工作に着手
9 東条・嶋田の総長兼任に海軍内でも怒り沸騰
10 東条暗殺に突き進む高木惣吉
東条・嶋田の戦争指導体制に怒る海軍中堅層/米内・末次の現役復帰を画策/高松宮、天皇に異見/米軍、サイパン島に上陸
11 高木、東条暗殺を決意!
12 高木・岡田に東条暗殺を表明
13 「聖断」による終戦構想の萌芽
14 岡田・東条の対決
15 最後の手段は暗殺!
 
第四部 終戦工作に奔走する高木惣吉
1 高木に終戦工作の密命下る
2 小磯内閣の命脈尽きる
3 各方面で胎動する終戦への模索
在スイスの藤村武官、ダレス機関と接触/高木、ソ連を仲介とする終戦工作を画策
4 対ソ交渉案
高木、米内海相に「中間報告書」を提出/ソ連を仲介とする和平工作を摸索/最高戦争指導会議六首脳会議開催/近衛特使派遣の動き
5 八月九日午前零時、ソ連軍侵攻
6 無条件降伏か、条件付き降伏か
7 歴史的な深夜の御前会議
第一回の「聖断」下る/全軍玉砕を説く「陸軍大臣布告」
8 阿南陸相、ポツダム宣言に断固反対
9 再び「聖断」下る
 
エピローグ 脳裏に浮かぶ四人の顔
あとがき
主要参考文献
高木惣吉略年譜