タイガー・モリと呼ばれた男
まえがき
プロローグ
アメリカ西部の剣道、フェンシング界の神的存在だった森寅雄
今も息づいている森寅雄のスピリット
移民の国アメリカで剣道普及を
ロス行きの途中、ハワイで歓迎される
ヨーロッパ戦線の日系米兵と武道
第1章 織物の町、桐生と出版王、野間清治
祖父森要蔵は千葉道場の四天王と呼ばれた剣客
祖母ふゆ、夫野間好雄と桐生へ流れ着く
野間家は貧しくても子供孝行
野間清治、雑誌『雄弁』を創刊
寅雄、七歳で上京
第2章 教育塾、野間道場
野間清治、寅雄を引き取る
寅雄、五歳で竹刀を握る
剣道嫌いな寅雄
野間道場五訓
第3章 剣師、持田盛二
文章が人格なら、剣道もまた人格
寅雄、初めての家出
寅雄、巣鴨中に転校、剣道全国大会初優勝に導く
生涯の師となる持田盛二が野間道場師範に
野間道場、関東の剣道界の中心に
第4章 栄光の巣鴨中学剣道部
野間寅雄から森寅雄へ改姓
厳しい稽古の伊香保道場
対照的な寅雄と恒の剣道
飛ぶ鳥を落とす勢いの巣鴨中学と寅雄
第5章 運命の天覧試合
二度の武者修行の旅
森寅雄、野間恒に奇妙な完敗
「お前は若いから」
恒が優勝した天覧試合を報知新聞が詳報
第6章 未知なる大地へ
敗れた寅雄、満州で戦車を操縦する
二・二六事件を満州で知る
ホノルル港に上陸
ハワイの剣道家に稽古をつける
第7章 昭和の武蔵、ロスに渡る
米国剣道発祥の地ロサンゼルスの地を踏む
排日ムードの強い西海岸で二世教育のため武道を
寅雄は少年剣士憧れの的
フェンシングの師ユーテン・ホーフとの出会い
第8章 全米を席捲した剣
フェンシング全米選手権、誤審に敗れる
寅雄、ヨーロッパ留学を断念して日本に帰る
野間清治と恒の死に号泣する
日系二世の赤星貞子と結婚
第9章 剣の絆
太平洋戦争開戦でカリフォルニアの剣道は消滅
寅雄一家、桐生に疎開
終戦の日、国武館で独り稽古
教え子の日系兵士ポール・水上との出会い
第10章 新時代への胎動
剣道家、桐生に集まる
「剣道禁止」ならば学生にフェンシングをコーチする
寅雄の剣友利岡和人、満州から帰る
寅雄、アメリカへ帰る
第11章 日米剣道の架け橋
敗戦国の日本人、アメリカに勝つ
弟子のゴードン・ワーナーとの再会
寅雄、証券会社に入る
明治大学剣道部、初めて渡米
日米剣道試合
第12章 世界選手権開催への夢
米国剣道連盟発足、会長に森寅雄
米国剣士を率いて、故国へ錦を飾る
日米親善剣道大会を企画
日米の学生剣士、アメリカ各地を転戦
第13章 海はるかなり
ブラジルにも広まる剣道
米国フェンシングチーム監督としてローマ五輪に
米国剣道連盟会長として日米親善使節団を迎える
ビバリーヒルズのどまん中にフェンシング・アカデミーをつくる
五十四歳の生涯を閉じる
あとがき
森寅雄を中心とした年表