東京復興ならず
- サブタイトル
- 中公新書 2649 文化首都構想の挫折と戦後日本
- 編著者名
- 吉見 俊哉 著
- 出版者
- 中央公論新社
- 出版年月
- 2021年(令和3年)6月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- 302p
- ISBN
- 9784121026491
- NDC(分類)
- 213.6
- 請求記号
- 213.6/Y91
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 引用・参考文献:p297-302
- 昭和館デジタルアーカイブ
序章 焼け野原の東京で―「復興」としての戦後を問い返す
劫火の東京にうごめく無数の死体
焼け跡の東京に息づく表情と賑わい
「帝都復興」から「戦後復興」へ―「復興」という呪文
魂の再生なき「復興」は続く―東京復興ならず
第Ⅰ章 文化国家と文化革命のあいだ―文化による復興とは何か
1 焦土からの「文化国家」の復興
「平和」のシンボリズムとしての「文化国家」
「国体護持」と「文化国家」の両面性
社会革命としての「文化国家」建設
2 「健康で文化的な最低限度の生活」
文化国家建設と新憲法第二五条
新憲法第二五条と憲法研究会
高野岩三郎・森戸辰男と「文化的」なるもの
3 文部省を廃し、文化省を設置する
文化国家建設の支柱としての文化省設置
空洞化する「文化国家/文化革命」
「文化復興」から「経済・技術復興」への旋回
第Ⅱ章 文化首都・東京を構想する―南原繁と文教都心構想
1 上野・本郷・湯島・小石川を日本のオックスフォードに!
南原繁の「新日本文化の創造」
文化復興のモデルとしてのオックスフォード・ムーブメント
「キャンパス」から都市のなかの「学寮」へ
「文教地区計画」における南原と丹下・高山
「学術」「芸術」「国際」「レクリエーション」をつなぐ
2 皇国都市から文化首都へ―石川栄耀の東京復興
都市計画課長石川栄耀と「文化首都」建設
文化首都としての東京の未来像
地域制・田園都市から文化都市へ
分散的な小環状都市としての皇国都市
3 大学が媒介する首都と国土―建築家と社会学者と宗教者
神田と早稲田における文教都心構想
都市社会学者奥井復太郎と三田文教地区
東京郊外での大学都市構想
大学キャンパスに都市を埋め込む
大阪市大の大学都市構想と高等教育の分散的再配置
第Ⅲ章 より高く、より速い東京を実現する
1 東京計画1960と拡張する東京―丹下健三の戦後計画
丹下健三における直交する軸線
東京計画1960
メタボリズム的都市と「土地からの解放」
日本列島の脊椎としての東海道メガロポリス?
2 道路はすべてに優先する―山田正男と東京の「立体化」
石川栄耀から山田正男へ
「文化」の東京から「道路」の東京へ
立体交差と首都高速による問題解決
再び、戦災復興計画に立ち返る
3 都電はなぜ駆逐されたのか―スピードに妄執する戦後日本
東京五輪というお祭りドクトリン
一九六〇年代、都電を誰が利用していたのか
都民は、本当に都電廃止を望んでいたのか
路面電車早期撤去論を批判する
都電全廃政策の転換を訴える
第Ⅳ章 カルチャーの時代とその終焉―東京からTOKYOへ
1 豊かな社会で復活する「文化国家」
経済中心から文化重視へ―大平首相の施政方針演説1979
転換点としての一九七〇年代
中曾根政権と「たくましい文化」への反転
企業が「文化国家」と「文化人」を先導する
2 カルチャーを演出する―文化首都のパフォーマンス
堤清二とカルチャーの時代
大学都市から広告都市へ
終焉する文化の時代―TOKYOはエキゾチックだ!
3 バブル日本の再び失われた東京―再来する廃墟
「高度情報化」と「金融国際化」のなかで
再び浮上する東京湾埋め立て計画
バブルと地上げが再び破壊した東京
誰が東京を再び廃墟にしたのか―中曾根民活と拝金日本
五輪と万博、そして臨海副都心での世界都市博
東京は、再び五輪による「復興」を求める
終章 東京は復興したのか―挫折の戦後史の奥底から
東京を離れる―コロナ禍のなかで
ポストコロナ遷都とその後の東京
東京復興ならず―精神の焼け野原の奥底で
ポストオリンピックシティとは何か―コロナ禍の先へ
あとがき
引用・参考文献
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