平塚らいてう
- サブタイトル
- 平凡社ライブラリー 918 その思想と孫から見た素顔
- 編著者名
- 奥村 直史 著
- 出版者
- 平凡社
- 出版年月
- 2021年(令和3年)5月
- 大きさ(縦×横)cm
- 16×
- ページ
- 327p
- ISBN
- 9784582769180
- NDC(分類)
- 289
- 請求記号
- 289/H68
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 2011年刊の増補改訂 関連年表:p320-323 参照文献:p324-327
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
祖母・平塚らいてうと私/祖母の名/祖母への視線
序章 祖母・らいてうとの生活
舞台で描かれる姿と、現実の姿は大違い/小柄・ひ弱な人/大きな声が出ない/力も乏しい/風呂での転倒/祖母にまつわる最初の記憶/生活リズム/祖母の一日/来客/祖母の部屋/着物姿/祖父の部屋
第一章 父・定二郎との「結びつき」と「離れ」─「親はわたくしを信頼しぬいている」
家を失った立場と、家を継ぐ立場/何もかも対照的な姉と妹/ジェンダー・フリーな雰囲気の中で育つ/父の中にも「女」の壁があった/周囲の「壁」への反発/神とはなにか、我とはなにかの追求/見性体験と性格変化/はじめての接吻/塩原事件/
一貫して支え続ける父・定二郎/「親はわたくしを信頼しぬいている」/二人の娘の結婚に対する定二郎の態度の違い/アイデンティティを確立できない不安定な情況/本気で打ち込みきれない思いの中での『青鞜』スタート/『青鞜』創刊の辞/
らいてうが振り返る「創刊の辞」/「らいてう」としてのアイデンティティの確立/「明」から「らいてう」への変身/母・光澤との関係/因襲打破の動き/
第二章 夫・奥村博史との共同生活─「わがまま三昧の一生」
らいてうと博史の出会い/家を出るにあたっての準備/自由な共同生活に新しい性道徳の基礎をおく/駅前の家/指環の注文/えかきさん/器用貧乏/小さい頃の祖父の思い出/わがまま/五分の子供/鯉のぼり、トランプを作ってくれる祖父/ゆったり、のんびりした生活/
厳しい経済状態/稼ぐことは全く苦手/〝わがまま〟〝子ども〟であることを非難しない祖母/欲しないことは行わない「自由」を体現した生き方
第三章 娘・曙生と息子・敦史との「出会い」─「原稿なんか書かないお母さんになるといいんだけどなあ」
個人としての生活と性としての生活との間の争闘/個人主義と他愛主義/娘・曙生/止みがたい思いから社会的活動へ/母性保護論争/家庭か、仕事か、の葛藤/新婦人協会の設立/平和、軍縮、反戦についての発言/過労から療養生活へ/成城学園入学/
「原稿なんか書かないお母さんになるといいんだけどなあ」/息子・敦史/生活協同組合を立ち上げる/らいてうの動きに対する批判/「平塚」から「奥村」へ/「子どもを産んだことはほんとうによかった」/「個人」「階級」「共同社会」の発見
第四章 嫁・綾子と姑・らいてうの「棲み分け」─「神様のような主婦がいてくれたら」
家事労働に明け暮れた疎開生活/家事一切を「嫁」に任せた生活/「家事」は厭うべきもの/「私にはどうして家事が身につかないのだろう」/靴下の繕いに「満足の微笑」を浮かべる/「女性にとっては仕事は第二義的」/家事労働の分担について/
子どもは「女」を完成させてくれる神の賜物/愛にもとづく仕事は、人間生活の基本的本質的なもの/らいてうと「舅」「姑」との関係/「姑・らいてう」と「嫁・綾子」の濃密な関係/祖母と母の「棲み分け」/「神様のような主婦」/「主婦」役割の重さ、苦しさ/
祖母のしたかったこと
第五章 孫・直史との近くて遠い関係─「ものを産み出すことは大変なこと、しっかりおやりなさい」
敗戦後のらいてうの動き/笑われたこと/食べさせてもらったこと/「ただ戦争だけが敵なのです」/謝ったこと/汽車に乗って出かけたこと/びっくりしたこと/怒られたこと/反戦、反核、平和運動/相撲に熱中する祖母/プレゼントされたこと/
阿部次郎、田中王堂、高村智恵子のこと/祖母への頼み事/祖父・博史の葬儀/葬儀の前後/「平塚さんが好きだったんですよ!」/祖父のデッサン集の出版/「憲法を守らねば」と訴える傘寿/祖母の病気/平塚らいてう歿後について
終章 「はにかみや」のらいてう
婦人党内閣総裁・平塚らいてう/当時のらいてうの文筆活動/非社交性と孤独癖/孤独と静閑を求める/「はにかみや」で「人がこわい」/自己表出障害/六十歳でも「はにかみや」/「外柔内剛」の二面をもつ人/「思考」と「直観」機能が優位な状態/思考と感情の拮抗状態/
感情機能の継続的成長/禅が「行動」を開いた/「はにかみやの自分」を抑え抑えての「行動」/吉田茂をやり込めるような平塚らいてうは存在しない/孫の「私」から見た「祖母・らいてう」/孫の「私」にとっての「祖母・らいてう」
おわりに
[増補] 平塚らいてうと「十五年戦争」―一九三〇年代の動揺を超えて
はじめに
らいてうの宗教的自己認識―「分霊(わけみたま)」としての自分
らいてうのアイデンティティの軌跡
アイデンティティの核/一九一一年「個としての自己」/一九二〇年「母性としての自己」/一九三〇年「階級としての自己」/一九四〇年における、らいてうの姿勢
らいてうの姿勢の変化―一九四〇年に向けて
らいてうの動揺―一九三〇年代
中国について/祖先について/天皇について
らいてうの選択―迷いの後の「早期疎開」
動揺と、迷いと、もがきの十年/公的役職就任に関して/筆を断つ決断―「沈黙」の疎開生活/何もかも「新たな体験」
らいてうの再出発―敗戦後
新憲法に勇気づけられて/一九五〇年「非武装の平和主義」/「過誤を反省」「愧(は)じる」/「原水爆禁止」/「安保阻止」「ベトナム反戦」
平凡社ライブラリー版 あとがき
関連年表
参照文献
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