地獄よりの生還

序（田中保太郎／財団法人鮮交会専務理事）
はじめに（藤田フジエ）
第一部　地獄の追憶　＜富坪収容所＞
終戦
ソ連兵の上陸
危機
暴動
鬼と仏
咸興収容所
朝鮮人Ｏさん
富坪収容所
夫の死
舅の死
光子の誕生と死
春の足音
三十八度線へむかう
決死の南下強行軍
道なき道を、断崖絶壁を
チンドン屋さん
無気味な〝国境〟無人地帯
ついに水の音、河の光り
幅一メートル板の橋
京城で「母ちゃんあのこと！」
赤い花ならマンジュシャゲ
　
第二部　母のたたかい
あこがれの故郷
肉親との対面
「早く朝鮮へ帰ろう！」
行商
お巡りさん
貧しくとも
奇遇
恭子の病気、信一郎の入院
誘惑
我が家の引越し
駅と信一郎
新しい住居
田村さん一家を訪ねる
どん底暮しの平安
新しい事業
人の心（その一）
人の心（その二）
待望の店、だが金策に泣く
二種類の招待客
恭子の中学卒業と就職
商売スタート
捨てぜりふの客
恭子の帰省
ダウンして眠りつづける
小料理店『まさか』誕生！
恭子の高校入学
ダム工事開始
信用
まさか亭の廃業
一流料亭の仲居に
白頭山節
流浪の民
恭子の花嫁姿
信一郎の就職
断食道場
友川さんご夫婦
墓参
子煩悩の夫を想う
香川高俊氏からの手紙
孫を抱く幸せ
　
付録　北朝鮮の日本人犠牲者
ソ連軍の直撃をうけた北東朝鮮の悲劇
咸興地域避難民の惨状（富坪収容所を含む）
生き残り千五百が千五百を葬う（富坪収容所慰霊祭）
日本人避難民死亡者の記録（元山・咸興・平壌・道別・団体別）
朝鮮人関係者による富坪収容所調査記録