図書イチカワ フサエ000067109

市川房枝

サブタイトル1~10
ミネルヴァ日本評伝選 後退を阻止して前進
編著者名
村井 良太 著
出版者
ミネルヴァ書房
出版年月
2021年(令和3年)2月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
xvii,344,11p,図版 [4] p
ISBN
9784623090945
NDC(分類)
289
請求記号
289/I14
保管場所
閉架一般
内容注記
主要参考文献:p307-323 市川房枝略年譜:p337-344
和書
目次

はじめに―「一人一役」の生涯
 
第一章 婦人運動家の誕生―「大正デモクラシー」の洗礼をうけた自由主義者
1 郷関を出る―時代に憧れる職業婦人
愛知の農家に生まれて 開国日本の新社会 高等小学校卒業後の上京 故郷での女子教員生活 時代の風を受けて 女性記者時代を経て再び上京
2 婦人労働運動から新婦人協会へ―平塚らいてうとの出会いと別れ
再上京と山田夫妻との出会い 友愛会婦人部書記 新婦人協会の発足 議会運動 議員当選運動 『女性同盟』発刊 新婦人協会への批判 平塚との別離 困難と軋轢の中での渡米 野なかの一本杉
3 アリス・ポールとの出会い―アメリカ体験
初めてのアメリカ 米国滞在記を送る アリス・ポールとの出会い 男女同権大会七五周年記念大会に参加 関東大震災後の日本への帰国
4 二足のわらじ―国際労働機関東京支局と婦選獲得同盟
国際労働機関東京支局勤務 婦人参政権獲得期成同盟会の結成 婦選獲得同盟への改称 婦人労働問題への政治的解決を訴えて 運動に集中する
 
第二章 政党内閣制下の婦選運動家として―デモクラシーに棹さして
1 「憲政常道」の活用―政友会内閣と男子普選第一回総選挙での応援
「憲政常道」期の社会運動家 初の男子普通総選挙―支持議員の応援 身近な人々からの批判 婦選獲得への追い風 汎太平洋婦人会議―二度目の渡米 婦人公民権案の否決 東京市政浄化運動
2 攻勢の中で―民政党内閣と男子普選第二回総選挙での革正運動
浜口民政党内閣の誕生 第二回男子普通総選挙 第一回全日本婦選大会 婦人公民権案の衆議院通過 総務理事となる 制限婦人公民権案への反対 独身生活を語る 「婦選は鍵なり」 制限婦人公民権案廃案 挟撃―「婦選は赤い」か 満州事変を批判する
3 満州事変下の運動指導者―政友会内閣と男子普選第三回総選挙での婦選要求
犬養政友会内閣誕生と平和を語る会 議会否認論の中で 第三回男子普通総選挙 発禁処分と五・一五事件
4 苦難の中の薄明かり―非常時暫定政権の連続と男子普選第四回総選挙
反ファッショ 逆風下の婦選運動 政党政治の回復に期待して 地域の問題と取り組む 国際的孤立の中で 婦人運動界の異変 非常時下の「婦選魂」 政党内閣の生れることを 母性保護運動と婦選運動 ヒトラー・ドイツへの眼差し 反軍演説と天皇機関説事件
選挙粛正運動 『婦選』から『女性展望』へ 第四回男子普通総選挙 二・二六事件
 
第三章 非常時局下の婦人運動指導者として―デモクラシーなき日本にて
1 皮肉な選挙粛正運動―二・二六事件後の日本政治と社会運動
戒厳下の婦選団体協議会 新議事堂と最後の全日本婦選大会 母子保護法の成立 政府当局への選挙粛正
2 国民精神総動員運動を使って―戦時下の困難を前に
近衛内閣誕生と日華事変 憂鬱な日々 日本婦人団体連盟の結成 国民精神総動員運動 時局婦人大会の開催 国民再組織と主婦の参画 婦人時局研究会の発足 カフマンの予言
3 近衛新体制を真の新体制とするために―婦選獲得同盟の解散
「婦人国策委員」 中国占領地訪問 近衛新体制運動と婦人組織 戦時下の「主婦」強化論 婦選獲得同盟の解散 大政翼賛会への失望の中で 調査委員に就任 婦人執筆者調査 『女性展望』廃刊と日米開戦
4 東へ西へ―アジア太平洋戦争下の婦人指導者として
大日本婦人会発足 翼賛選挙 大日本言論報国会 『戦時婦人読本』 日婦審議員への非再選 川口村への疎開 空襲下の日婦問題 日婦・大政翼賛会の解消と敗戦
 
第四章 占領下の高揚と追放―復活強化されるデモクラシーとともに
1 敗戦後の新たなスタート―日本民主主義の再建過程と並行して
焼跡からの再出発―戦後対策婦人委員会 戦後の婦選獲得運動 新日本婦人同盟 GHQの女性政策 婦選獲得 初の完全普選に向けて 婦選会館建設 戦後初の総選挙―婦選実現 日本国憲法の制定 市川房枝推薦会の発足
2 公職追放下の日々―重なり合う敗戦の跡と冷戦の影
公職追放を受ける 「格子なき牢獄」 公職追放取消運動 藤田たきの思い出 追放解除
3 占領下での運動への復帰と講和への不安―日本婦人有権者同盟を率いて
日本婦人有権者同盟への改称 婦人少年局廃止問題と反動への警戒 講和と安保―再軍備反対 占領からの解放と心配―既得権擁護を掲げる 五九歳を前に
 
第五章 戦後日本の議会政治家として―「逆コース」を許さない
1 訪米後、参議院議員となる―「理想選挙」の実証実験と婦人有権者教育
公明選挙運動に参加 赤狩りのアメリカ―通訳ベアテと共に 冷戦下の戦後アメリカ 国連の見学 啓発運動か選挙運動か 参議院議員に初当選
2 混沌とした戦後初期の参議院議員―売春防止法と婦人参政一〇年
一期目のスタート 衆参婦人議員団結成 『婦人界展望』発刊 市川と日本国憲法 婦人参政一〇年 国連加盟と戦後民主主義 再び「理想選挙」で当選を果たす
3 革新系参議院議員としての独立独歩―六〇年安保騒動の後
二期目のスタート―英国訪問と理想選挙普及会 六〇年安保騒動の渦中で 「総選挙と金」―高度経済成長と政治 米統治下の沖縄訪問 公職選挙法改正と「第二院クラブ」結成 財団法人婦選会館の設立と『婦人展望』への改題 三選出馬を決める
二〇年目の通信簿―三選を果たす
4 美濃部革新都政の実現と沖縄復帰―「逆コース」を越えて七〇年安保に向かう日本
三期目のスタート 二〇年目の勝利への確信 沖縄再訪問 「黒い霧」解散と青空演説会 美濃部革新都政実現に尽力 一九六八年の幕開け 参議院二〇年 緒方貞子を訪ねて―「権利の上に眠るな」 安保問題を学ぶ
5 一九七〇年の分水嶺と落選―「理想選挙の灯」消える
四選出馬はあるか―新陳代謝を願って 七〇年安保と非武装中立論 沖縄とアメリカを訪ねて 女性参政五〇周年のアメリカ ナウとリブの運動を見る 婦人参政二五周年―調査を求める 平塚の死 落選
 
第六章 次なる日本の同伴者として―「逆コース」との闘いの先に
1 議員落選後の日々―後片付けを意識して
参議院改革論 落選後の日常 理想選挙推進市民の会 沖縄祖国復帰 連載「婦人参政権を考える」 人をつなぐ 婦人問題総合調査 自伝刊行と戦争協力問題
2 参議院全国区から復活の四選―国際婦人年と一党優位政党制との闘い
青年グループ出馬を勝ち取る 草の根運動で復活の当選 四期目のスタート フィリピンを訪れて 婦人参政権ひとすじ 地方で仲間を増やす 国際婦人年日本大会 大会で終わらせない ロッキード事件で訪米 民主政治をたてなおす市民センター 青年グループのその後
女性の明日を考える 最年長議員に 同志から仲良しに 市川房枝基金 私の婦人運動 女子差別撤廃条約 ストップ・ザ・汚職議員
3 全国区第一位での五選と死―新冷戦と保守回帰への警戒
全国区第一位当選 五期目のスタート 八七歳での死 お別れ式と議員永年表彰
 
主要参考文献
おわりに―市川房枝の遺産
市川房枝略年譜
人名・事項索引
 
図版写真一覧
参議院初登庁時の市川房枝(市川房枝記念会女性と政治センター提供、以下同提供の写真は出所省略)
一九四〇年頃の市川房枝
新婦人協会幹部
運動の基盤としての雑誌刊行 婦獲機関誌から女性誌へ
婦選獲得同盟幹部
自筆の色紙「婦選は鍵なり」
日韓条約反対討論をする市川
国連婦人の十年中間年日本大会後のデモ行進