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女性と戦後司法

サブタイトル1~10
裁判官、女性がおわかりですか?
編著者名
中村 久瑠美 著
出版者
論創社
出版年月
2021年(令和3年)3月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
xiv,418p
ISBN
9784846020132
NDC(分類)
327
請求記号
327/N37
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

序章 「戦後司法と女性」の関係を巡って
1 戦後六〇年をふりかえる!
2 私と戦後と司法界
3 本書の構成
 
第Ⅰ部 戦後司法と女性
第1章 女性差別発言の背景を探る
1 戦後第一期の最高裁判所の実態とは(一九四六~七五)
2 女性の採用を正式拒否
3 青法協問題の噴出
4 憲法九条と女性差別の関連性
5 平賀書簡事件
6 エスカレートする女性任官差別
7 最高裁は女性法曹をどうみていたか―「ミスター司法行政」の回顧録より
8 宮本判事補の再任拒否事件
9 倉田卓次「裁判官の戦後史」に記された三淵嘉子裁判官
第2章 女性のための法整備と司法界失われた三〇年
1 司法界の戦後第二期はどんな時代であったか
2 女性の権利に関する法整備は進んだ
◆年表 女性のための法整備の拡充の歩み(男女共同参画社会に関する内外の動き)
第3章 女性労働事件に見る裁判所の考え方
1 雇用における性差別
2 均等法以前の男女差別をめぐる裁判例(昭和四二~六〇年)
3 公序良俗とは
4 均等法以後の女性労働裁判 一九八五(昭和六〇)年~
第4章 セクハラ裁判にみられる裁判官の意識
1 セクシャル・ハラスメントのはじまり
2 なぜセクハラが問題なのか
3 職場近辺のセクハラ行為はどう防ぐか?
4 福岡セクシャル・ハラスメント事件(キュー企画)(福岡地判、平成四・四・一六)
5 横浜セクハラ事件(横浜地判、平成七・三・二四・控訴審東京高判、平成九・一一・二〇)
6 仙台セクハラ損害賠償事件
7 岡山セクハラ事件(岡山地判、平成一四・五・一五)
8 その後のセクハラ―男女いずれにもセクハラはある!
第5章 DV防止法の成立と裁判官のジェンダー意識
1 DVは野蛮
2 裁判官も女房を殴る!
3 DVが離婚原因となった事例で裁判官はどう裁いたか
4 DV防止法の成立
5 ジェンダー論からみたDV
6 解決の困難性―被害の潜在化
7 社会的無理解、中傷等の弊害
8 加害者の問題
9 法律関係者のジェンダー・バイアス
第6章 離婚判例の変遷と女性の立場
1 長期の別居は離婚要件
2 破綻主義と有責主義
3 踏んだり蹴ったり判決
4 破綻主義への変更
5 離婚法改正の動き
6 民法改正の動きのその後
第7章 夫の不貞を見抜けず、妻を敗訴に追い込んだ裁判官
1 発端
2 事件の概要と争点
3 控訴審はどうであったか?
4 判決の問題点
5 不貞の立証責任
6 後日談、不貞は父親の日記から立証された!
7 婚姻の破綻とは
8 相当長期の別居とは
9 未成熟の子の存在
10 過酷要件
11 離婚判決に見るジェンダー・バイアス
 
第Ⅱ部 女性と二一世紀の司法
第8章 司法改革から抜け落ちたジェンダーの視点
1 ジェンダーにとらわれない社会の実現は二一世紀の最重要課題
2 ジェンダー・バイアス(性に基づく差別・偏見)は広く世間に存在する!
3 司法におけるジェンダーの問題点
4 司法におけるジェンダー・バイアスの存在
5 司法におけるジェンダー・バイアス発生の原因は何か?
6 誰のための何のための司法改革?
第9章 家庭裁判所の改革はできたか?
1 離婚訴訟が変わる?
2 家裁への移管理由
3 家裁への移管は正解であったか?
4 家裁にこそ優秀な裁判官がほしい!
5 養育費算定表について
6 養育費の支払い確保はなんとかならないか?
7 民事執行法改正二〇二〇(令和二)年四月施行
第10章 性暴力犯罪を裁判官はどう裁くか
1 女性に対する暴力の最たるもの―性暴力
2 強姦は強制性交罪に代わった!
3 親告罪とは?
4 暴行脅迫・抗拒不能
5 スウェーデン刑法の性犯罪規定の改正
6 四つの強姦無罪判決に仰天!(二〇一九年三月)
7 控訴審の判断逆転有罪へ!
第11章 最高裁判所の違憲立法審査権と女性の権利
1 違憲立法審査権こそ人権の砦
2 過去の違憲判決
3 国籍法違憲判決
4 非嫡出子の相続差別違憲判決
5 女性の再婚禁止期間違憲判決
6 夫婦同氏制は合憲判決
7 司法消極説では使命を果たせない
第12章 女性活躍・少子化対策・生殖革命
1 女性活躍の推進とアベノミクス
2 ウーマノミクスと働き方改革
3 少子化対策と女性の活躍
4 マタニテイ・ハラスメント
5 生殖革命と人権
第13章 ヒラメ裁判官では女性の権利は守れない!
1 裁判官の目線はどこに?
2 語り始めた裁判官
3 「ヒラメ裁判官」の実態
4 絶望の裁判所
5 要件事実教育のひずみ
6 生きる人の哀しみを知ってこそ
7 家裁の裁判官たちに苦言をひとこと
8 伊東すみ子さんの思い出
9 司法研修所の骨抜き教育
第14章 女性法曹に期待する
1 法曹とはなにか
2 女性法曹の誕生と女性差別との戦い
3 女性法律家協会の誕生と、最高裁への女性修習生任官に関する要望書
4 司法研修所裁判教官の女性差別発言には全国の女性弁護士が立ち上がった!
5 戦後第二期、一九七六年からの失われた三〇年の女性法曹の動き
6 二一世紀は女性法曹の活躍に期待したい
 
第Ⅲ部 私と司法
第15章 男社会を女性弁護士として生きて
1 「イソ弁」からの出発
2 アメリカへ留学しよう
3 港区に独立事務所を開設
4 国際離婚事件に現れた夫婦の関係
5 手がけた離婚事件は一〇〇〇件を超えた
6 しなやかに、したたかに、辛抱強く
7 東大卒の女性の価値観は
8 私の被差別体験
9 弁護士会は村社会
10 参議院選挙に出馬して
11 私の著作活動
12 パッション、ミッション、そしてアクション
13 「マルイチ会」の創設と成果
14 「離婚とQOL」アンケートと出版
15 イニシエイションスピーチと手記の出版
16 創立二〇年、マルイチ会はNPO法人へ衣替えした
17 男女を問わず高齢シングルの生活の質向上(QOL)をめざして
 
あとがき