中卒「集団就職者」それぞれの春夏秋冬
- サブタイトル
- 高度経済成長を底辺で支えた<金の卵>
- 編著者名
- 基 佐江里 著
- 出版者
- 蕗書房
- 出版年月
- 2021年(令和3年)2月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 720p
- ISBN
- 9784434286254
- NDC(分類)
- 366.29
- 請求記号
- 366.29/Mo84
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 奥付のタイトル:高度経済成長を底辺で支えた<金の卵>中卒「集団就職者」それぞれの春夏秋冬 参考・引用文献:p718-720
- 昭和館デジタルアーカイブ
まえがき
第1章 集団就職―高度経済成長と〈金の卵〉
心の応援歌「あゝ上野駅」
第2章 「集団就職」とは「集団求人」のことである
「職工事情」から「集団就職」まで
第3章 作家が書いた「集団就職者」
労働力としてだけ値ぶみされる存在
第4章 「集団就職者」の足跡をテーマに書いた本
「社会のために役立つ存在として、生きていきたい」
第5章 昭和二十九年四月「夜行列車」で独り弘前を発つ
日に一五時間働き一四年後に独立し「生果店」を営む(齋藤二郎)
「750円」の片道切符だけを握り締めて上京。町工場で技術を磨き「大田の工匠100人」に選ばれる(佐々木忠義)
集団就職列車から振り落とされ相生→宝殿間を裸足で列車を追いかけ43km(佐賀県出身の少年)
第6章 それぞれの春夏秋冬(1) 与論・供利港を発ち『浮島丸』で神戸港へ
電気工事業を天職と定め山陽電設に定年まで勤める(本徳仁)
イカ釣り漁など転職を重ねたのち大工の棟梁に(里光川悦)
不二精工や時計職人など転職ののち田畑美軒を設立(田畑清彦)
与論島の離島ブームに乗り故郷にUターンし「民宿経営」(野口須美子)
嫌な思い出はほとんどなく「楽しい思い出ばかりが残っている」(水上千鶴子)
五六歳で看護助手の資格を取得、与論徳洲会病院で定年になるまで働く(内田春枝)
林紡績に勤め職場結婚。一番の幸せは「三人の子供を無事に出産できたこと」(岩井マツエ)
絵が好きで人形に絵付けをする仕事に従事。今は日本画を描き余暇を楽しむ(坂元良子)
第7章 それぞれの春夏秋冬(2) 七五歳になった今「幸せ」を実感
「流れるがままの人生でしたが、いろんな人に出会えて幸せな人生でした」(椛山恵子)
診察所勤務を経て結婚。浦口商店は建設業ともども商売繁盛(浦口貴美子)
第一三期卒業生の心の拠り所、スナック「MM」を経営して四〇年(竹島けい子)
「家族的な待遇をしてくれる会社で、いただいた二〇〇〇円はほとんど貯金できました」(清水節子)
与論園で介護ヘルパー、徳洲会病院で看護助手。ライフワークは芭蕉布による着物づくり(南静枝)
「白尾が亡くなって淋しいよ。彼は小さい頃から優しい人間だった」(竹川達廣/白尾豊蔵)
第8章 悲喜交々―終わり良ければすべて良し
養豚場など陸の仕事に見切りをつけ、タンカーに乗って「船乗りの仕事に天職を得た」(池田健助)
「金はなくても、アメヤ横丁で人ごみの中を素通りするだけで楽しかった」(福島敏男)
東海道新幹線が開通―建設現場の槌音を聞きながら岐阜羽島で青春時代を過ごす(竹内栄次郎)
縁故就職で入社したその日から〝徹夜作業〟で働かされる(日高タカ子)
青春時代の忘れ難い思い出。その一つは同棲していた女性に「全財産を持ち逃げされたこと」(野澤秀昭)
〝夜逃げ〟を手伝いながら「出て行く先輩の勇気が羨ましかった」(稲沼ミサエ)
五年間〝無給〟で働く。このままでは、私の人生は駄目になる・・・・・・(野﨑末子)
岐阜県の堀江縫製に就職。「模範工場に勤めつつも故郷にUターンし農協に勤務」(遠矢節子)
「デラシネの旗」を掲げ、俺たちはどこへ行こうとしているのか!?(潟山正)
第9章 「73歳の年祝い盛大に」―晴れ姿で与論銀座をパレード
新東㈱工場長を定年退職「辛い思いもしてきたけど、思い返してみるとみんな懐かしい」(川上重光)
定時制高校を卒業後、九州電力に入社。電力事業一筋に半生を送る(山剛昇)
浴衣のリメークで洋服を制作、手芸を楽しむ。「いろいろあったけど、今が一番幸せ」(竹内タツエ)
種子島から集団就職。駆け落ち、失恋、転職を重ね・・・・・・(長谷川ミツエ)
信金・保母・宝石販売・フラダンス、お寺で修業をし僧階「権律師幸子」の名を戴く(池畑幸子)
バスの車掌など転職を重ねたのち二六歳で起業。株式会社アマミの年商は約三〇億円(竹安次郎)
第10章 奄美の先輩の特別寄稿 与論の同期・後輩の手記
私の集団就職と時代背景(津島祐治)
アルマイト銘板業界で得た知識をベースに起業。「優良企業特別奨励賞」を受賞(竹波栄喜)
定時制高校を経て都庁職員となり四〇年間勤務。定年後は遺跡発掘品調査に情熱を燃やす(基昭夫)
定時制高校電気科に学び有限会社村山電気商会を設立。堅実経営「信用第一」に電気の道一筋(村山登)
追憶―行くあてもないまま、米原行きの電車に乗り終点まで行ったあの日(藤岡トシ子)
第11章 そこに二つの道があるならば、ためらうことなく、困難な道を選べ
島根県から集団就職。定時制高校・医療短期大学に学び高校教師、特別支援学校で講師(前節子)
第12章 それぞれの春夏秋冬(3) 定時制高校の同期たち
定時制高校卒業後大手企業に入社。中華料理店で修行ののち『京華飯店』を開業(芳賀次男)
日本電気に勤め定時制高校を卒業。三菱ふそうに勤め排気ガスなど公害問題に取り組む(宮𦥄保昭)
定時制高校を卒業後、横浜中華街で六年間修行。中華料理店『喜臨門』オープン(鄭燕光)
神奈川工業高校定時制、神奈川大学電気工学科二部に学び住友電工一筋に半世紀(山下克巳)
第13章 今は亡き同志たち
大工の技術だけを元手に鹿児島に渡り数十億円の資産家に(永井秀之伸)
中学卒業後大阪に縁故就職。転職ののち九電工に定年まで勤め、晩年は釣りと酒漬けの日々(横山俊文)
集団就職で上京。漁師になるなど転職ののち郷里に戻り療養生活(山下吉廣)
自分の思い通りに生き四国八十八箇所霊場巡りの途上、小松島港に散った流しのギター弾き(栄福利)
第14章 自分史(基佐江里)
終章 『浮島丸』の航跡
『浮島丸』→『父島丸』→『EVER TRAINING』→台湾で廃船→スクラップ
あとがき
参考・引用文献
資料の利用については4階 図書室のご利用にあたってをご覧ください。
- 担当:
- 図書情報部 図書係
- 電話番号:
- 03-3222-2573
- FAX:
- 03-3222-2626

