図書イノチ ノ キュウエン デンシャ000066877

命の救援電車

サブタイトル1~10
大阪大空襲の奇跡
編著者名
坂 夏樹 著
出版者
さくら舎
出版年月
2021年(令和3年)1月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
229p
ISBN
9784865812794
NDC(分類)
216.3
請求記号
216.3/Sa27
保管場所
閉架一般
内容注記
19
和書
目次

序章 大空襲の夜、地下鉄が走った
被災地に響くレールの音
「火の海の大阪 地下鉄が救う」に迫る
 
第1章 歴史に埋もれた「謎の救援電車」
戦前の商都を支えた大動脈「地下鉄御堂筋線」
戦時下では10代の子どもが運転士に
「大空襲の最中、電車を走らせるだろうか」
3時間半で大阪を焼け野原にした深夜の大空襲
市民の5人に1人が被災、浪速区の人口は96%減
徹底して燃やされた戦時中の公文書
敗戦直後にクビになった10代の職員たち
「通りは遺体の山でした」14歳の地下鉄駅員
10代少女たちが働いた天王寺駅
焼夷弾の雨は市電も襲った
猛火の御堂筋から電車で逃げた女性
「上は火の御堂筋、地下には電気がついていた」
空襲時には第三軌条への送電を止めるはずでは?
 
第2章 あの日、何があったのか―証言が語る大空襲下の希望の光
記事に埋め込んだ小さな「仕掛け」
続々と集まる「救援電車に乗った」証言
▶間違いなく地下鉄のおかげ【心斎橋→天王寺】
▶午前4時~5時頃乗った【心斎橋→梅田】
▶「電車が来る」と駅員の声【心斎橋→梅田】
▶よくぞ走らせてくださった【心斎橋→梅田】
▶このままではみんな死んでしまう【心斎橋→梅田】
▶駅員が「梅田のほうは大丈夫」【心斎橋→梅田】
東京では厳禁だった地下鉄への避難
大空襲直後に「一番電車」が走ったのか
▶「火が地下にも入った」と父【心斎橋→梅田】
▶猛火の中を逃げ回った末に【本町→難波】
▶改札もホームもすいていた【心斎橋→梅田】
▶警官が「ついてきなさい」【心斎橋→梅田】
▶駅員が「初発電車が来る」【心斎橋→梅田】
戦時下、運行ダイヤはあってなきがごとし
「謎」解明の決め手は心斎橋
▶地上の地獄がウソのよう【心斎橋→梅田】
▶構内はトイレの水洗も出た【心斎橋→天王寺】
▶警防団が「地下鉄が動く」【心斎橋→梅田】
▶地下通路にも煙が充満【心斎橋→梅田】
▶大丸百貨店も燃え出した【心斎橋→梅田】
「回送として動かしたかもしれない」という駅員証言
職員のお迎え電車が走ったのか?
防空要員電車が走ったのか?
初発電車が走ったのか?
▶イチョウ並木がすべて燃えた【心斎橋→梅田】
▶煤だらけの顔、脅威の目【心斎橋→梅田】
▶炎の竜巻、火の粉の熱風【心斎橋→梅田】
▶憲兵が誘導してホームへ【心斎橋→梅田】
 
第3章 命を運んだ電車は3本あった―見えてきた救援電車の全貌
運転を途中で打ち切った最終電車があった
「当日は『停電するな』という指示がありました」
救援電車が来なかった駅
最初に焼夷弾が炸裂した浪速区と大国町駅周辺
▶浪速区役所の当直日誌
空襲の猛火に追われ逃げ込んだ大国町駅
▶駅員に怒声浴びせた【大国町】
▶電車来たら絶対乗っていた【大国町】
▶初発には〝普通〟の人たち【大国町】
▶緊急時には地下鉄動く【大国町】
救援電車1本目は「心斎橋発梅田行き」
猛火、熱風、炎の竜巻の心斎橋
▶大丸の地下室に1000人、地下鉄が頼り【心斎橋】
▶火の塊が次々と飛んできて・・・・・・【心斎橋】
▶自宅は焼けないと信じていた【心斎橋】
▶地下に入ると煙でやられる【心斎橋】
救援電車は3本走っていた
地下鉄研究「うちわ持参で避難せよ」
憲兵が避難禁止の地下鉄に誘導
「人々を安全な場所まで運びたい」という思い
 
第4章 戦時地下鉄、ベールの向こう側
猛火の下で新たな命も運んでいた
救援電車とニアミスしていた「バタヤン」
大阪大空襲を予告した佐藤栄作
車庫は「駅」、検車場も「駅」
巨大備蓄倉庫だった地下鉄の駅
やっぱり横暴だった軍人
▶死体を上げてただちに運転しろ
▶急いでいるから駅を通過しろ
 
第5章 戦争に翻弄された少年少女たち
乗客、車両を命懸けで守った10代の職員たち
空襲下、路上の市電内にとどまった少年運転士
「こんな小さい子どもが運転して大丈夫かいな」
ノミのいる座席に新聞紙を敷いて仮眠した少女駅員
10代の乗務員には過酷な現場
卒業式の前夜を襲った大空襲
じろじろ見られた煤だらけの顔
火勢にあおられ人が次々倒れていった
「これが地獄かなあ」
「子どもたちと本当のお別れになってしまいました」
 
あとがき