図書センリョウカ ノ エンタテイナー000066737

占領下のエンタテイナー

サブタイトル1~10
日系カナダ人俳優&歌手・中村哲が生きた時代
編著者名
寺島 優 著
出版者
草思社
出版年月
2020年(令和2年)12月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
412p
ISBN
9784794224811
NDC(分類)
762
請求記号
762/N37
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
中村哲出演作品リスト:p373-398 主要参考文献:p399-412
和書
目次

プロローグ─PPMのCDに残されていた懐かしい父の声
 
第一章 バンクーバーのホームラン王
パウエル・ストリートの日本人
父の仕事は「土地売買通弁業」
カナダ国民として英語教育を受ける
日系人野球チーム「朝日軍」の登場
グラウンドには差別がない!
哲、バンクーバーのホームラン王になる
野球が一世と二世の溝を埋めてくれた
肩を壊して朝日軍を退団
ポップミュージックに熱中、歌手を目指す
声楽教師ギデオン・ヒックス氏の大恩
マフィアの秘密クラブで独唱、大喝采
日系人オペラ歌手、中村哲の誕生
オペラ歌手愛ちゃん、斎田愛子
ホテルを解雇され、日本での歌手デビューを決意
 
第二章 日本の映画の世界へ
日本での初リサイタルは評判上々
自分では気づかなかった微妙な訛り
訛りをなおすために日活の演技者養成所へ
太平洋戦争の勃発が哲の夢を打ち砕いた
やむなく映画俳優へ「転進」
カナダの家族が強制収容所へ送られる
『ハワイ・マレー沖海戦』で映画初出演
「アメリカの力はそんなもんじゃない」
大部屋の美人女優と相思相愛の仲に
いっそアメリカ人に生まれたいと少女は願った
この非常時に敵国人との結婚なんて
『あの旗を撃て』でフィリピン・ロケへ
新婦は手縫いのウェディングドレスで
「怪しい三国人」「謎の東洋人」役の始まり
謀略放送『ゼロ・アワー』のスタッフになる
英語の飛び交うスタジオは洋楽の解放区
日本で初めておこなわれたDJ放送
待望の長女が誕生、一家をかまえる
空襲下の東京でもささやかな楽しみ
広島の金江村への疎開
相次ぐ空襲下、終戦を迎える
 
第三章 占領下の日本で大活躍
疎開先で歌や英語を教える
収容所の日本人たちへの厳しい通達
焦土の東京へ出て、すんなり東宝と再契約
故郷ではサリーの兵隊姿にビックリ
カナダから送還されてきた老いた両親
哲も出演していた『額縁ショー』
英語で歌えることで大ブレイク
進駐軍クラブが格好の稼ぎ場所
将校クラブではトップシンガーの扱い
風格があったですよ、拍手も大変なもんでした
連合軍専用列車で母を広島へ
捕まった大家を進駐軍のコネで救う
「東京ローズ」裁判でサンフランシスコへ
イエロー・ジャーナリズムによる反逆者の汚名
長女の命、マッカーサーのサインで救われる
なぜ戸栗さんだけが裁かれたのか
トンデモ映画ばかりだった日米合作映画
江古田にカナダ風の邸宅をつくる
アル・ジョルスン・フリークの青年が弟子入り志願
ジャズ・ブームに乗って大繁盛
哀切、斎田愛子の夭折
『蝶々夫人』の撮影でイタリアへ
藤原歌劇団アメリカ公演の話
アメリカ映画のオファーを断って公演へ
公演のギャラは支払われなかった
こんなにいい役、どうして断ったの?
 
第四章 あくまでオペラ歌手として
妻を不安にさせたクラシックへのこだわり
映画不況で専属料が大幅ダウン
起死回生を狙って二度目のリサイタルを開く
満場の拍手も新しいオファーはなかった
永島達司からMCの依頼を受ける
海外ミュージシャンのMCに新境地
「呼び屋」を近代的ビジネスにした永島達司
三船の『五十万人の遺産』でまたもや「謎の男」
フランク・シナトラの『勇者のみ』で英語指導
誤った日本趣味を訂正する
男一匹、決心しなきゃならないときもある
歌一本に懸け、石井音楽事務所に所属を移す
労音、民音の組織力が頼り
みんなフォークが押し流していった
労音は衰え「時代は変わる」
家計のために、サチがミセス・モデルに
哲のまったく知らなかった世界的人気バンド
私は当時PPMに夢中だった
小室等はLP三枚すり潰してPPMをコピーした
PPMから直々にサインをもらった
早川雪洲と間違えられているカローラのCM
 
第五章 日本人として生きる
年金制度のあるカナダへ行けば、もう大丈夫と思い込む
一家そろってカナダへ移住を決断
私の作った歌が『あなたのメロディー』に入賞
カナダ行きの餞別は森山良子の歌
昔のバンクーバーはもう跡形もなかった
カナダでできることは何もない
いまから言葉を覚えたって、しょうがない
甥の言葉が帰国を決断させた
このままでは世界に遅れをとってしまう
せっかくの入学資格がパアに
戻ってきて住んだのは小さな家
ニューオータニの館内放送で復帰
人柄のよさが哲を困窮から救った
サチの過剰な不安に振り回された中村家
『レッド・サン』の大ヒットで溜飲を下げる
私はすっかり日本人のようになってしまいました
NHKで十八番の『スワニー』を熱唱
 
エピローグ
あとがき
中村哲 出演作品リスト
主要参考文献