ダバオの父太田恭三郎

南方への志
養家をさつて
木曜島（もくえいたう）へ渡る
眞珠（しんじゆ）取り船
さらに比島へ
　
フィリッピンの歷史
發見者はマゼランか
悲慘（ひさん）な住民
獨立軍の旗上（はたあ）げ
　
日本とフィリッピン
戰國時代から明治まで
日本志土と獨立運動
　
ペンゲット道路
日本勞働者を招く
痛（いた）ましい大犠牲
見るに堪へかねて
同胞の血で完成
　
蠻境ミンダナオ
失業者のはけ口
怒る移民（いみん）たち
自分も後を追ふ
　
開拓の苦しみ
目をつけた麻栽培
最初の日本人排斥
土地を買取る
蠻槍（ばんさう）の被害
　
荊棘（けいきよく）を分けて
犠牲の眞珠取り船
危機に襲（おそ）はる
比島兵の叛亂
タロモへ移る
　
相次ぐ苦難
またも壓迫の手
漁業にも乘出す
大あらしの災害
人を植える苦心
　
大志を中途に
さらに前進する
旱魃（かんばつ）に襲はる
つづく麻山火事
雄圖むなしく
　
その後のダバオ
景氣のうしほ
ハゴタンに救はる
實現した理想の地