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沖縄戦75年戦火の記憶を追う

サブタイトル1~10
編著者名
琉球新報社編集局 編
出版者
高文研
出版年月
2020年(令和2年)10月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
285p
ISBN
9784874987421
NDC(分類)
219.9
請求記号
219.9/R98
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

◆プロローグ 沖縄戦75年 2020年6月23日、沖縄

Ⅰ 「戦争死」に向き合う―沖縄戦75年追悼の内実
■住民虐殺=金城トミ子さん(88歳)
*日本兵に壕追われ、暗闇の中逃げる
*戦争美化の肯定に危機感
■「集団自決」(強制集団死)=大屋初子さん(84歳)
*住民は死を望んでいなかった
■収集遺骨の「転骨」=大城藤六さん(89歳)
*“自分たち”で弔うと、集落で転骨に抵抗
■「平和の礎」の理念=高山朝光さん(85歳)
*追悼式を慰霊から平和発信へ
■援護法(戦傷病者戦没者遺族等援護法)=石原絹子さん(83歳)
*妹たちの生きた証しを残したい
■平和ガイド=森根昇さん(79歳)、照屋盛行さん(80歳)
*皇民化教育の反省継ぐ
■平和教育=中村彩花さん(17歳)、諸見里真知さん(17歳)
*学校で続く試行錯誤
■フォローアップ
*国立墓苑開催は沖縄戦の教訓の後退

Ⅱ 首里城と第32軍司令部壕
1.第32軍司令部壕-激戦招いた“負の遺産”
*全長1キロ、首里城地下横断 学徒動員、24時間体制で構築
*留魂壕-鉄血勤皇師範隊の拠点 動員された学徒226人戦死
*首里城を標的、猛攻で壊滅状態
*戦争と平和を追体験できる場 保存と公開求める声
識者談話/吉浜忍さん-南部撤退が住民を巻き込む
2.戦火の首里城-地下に眠る32軍壕
■「沖縄新報」職員・許田肇さん(96裁)
*首里城がない
*紙面の「戦果」と異なる事実、目疑う
*迫る米軍、首里を逃れて南部へ
*なぜ沖縄が戦場に……
■紅型作家・城間栄順さん(86歳)
*司令部壕の枠板を小屋の柱に
*父と共に紅型復活へ歩み
■鉄血勤皇師範隊・古堅実吉さん(90歳)
*首里の城下で学ぶ高揚感は一転、軍作業へ
*母を呼ぶ友の声、今も耳に
■鉄血勤皇師範隊・故金城福一郎さん
*極限の体験、家族へ託す
*息子ら「親父の戦争」配信
■一中鉄血勤皇隊・与座章健さん(91裁)
*戦争に翻弄された記憶、今も鮮明に
*重労働の日々に、多くの学友も失う
3.32軍壕の保存、公開、活用に向けて
〔特別評論〕32軍壕公開の意義-「軍は住民守らぬ」の教訓継承
*沖縄県民意識調査 32軍壕「公開を」74%、沖縄戦「継承必要」85%
*32軍壕の公開は平和行政の一環
*32軍壕公開 県が検討委員会
〔単眼複眼〕世論に押され知事決断 戦争と平和学ぶ貴重な場
*32軍壕を平和学習の場に 牛島司令官の孫・貞満さん現場歩く
*現場での公開を要望 32軍壕検討委設置、関係者ら歓迎の声
識者談話/新城俊昭さん-戦跡生かす平和学習を

Ⅲ 記者が歩く戦場の爪痕
特攻艇秘匿壕(北谷町)*片道切符、悲痛さ込み上げ
クマヤーガマ(北谷町)*米軍上陸まで数百人が避難
161・8高地陣地(中城町)*激戦、米軍の南進に抵抗
日本軍トーチカ(読谷村楚辺)*海岸岩場に銃眼刻む
奉安殿・忠魂碑(沖縄市知花)*皇民化教育の象徴
前田高地(浦添市前田)*美しい崖巡る激戦地
与那城監視哨跡(うるま市屋慶名)*10代若者が24時間の監視任務
公益質屋跡、アハシャガマ(伊江村)*壁の大穴が「激戦」を語る
伊江村民収容地跡(名護市久志)*飢えと闘い帰郷待つ
コージガマ(恩納村)*狭い空間に身を寄せ避難
名蔵白水の戦争遺跡群(石垣市)*軍命による避難で住民犠牲に
ヌーザランミ特攻艇秘匿壕(宮古島市)*兵士自らの「棺おけ」格納
ヌヌマチガマ(八重瀬町新城)*全長500メートル、白梅学徒が看護
前川民間防空壕群(南城市玉城)*住民が掘った約60基の防空壕
山城壕(糸満市)*一家5人が生き埋め
■フォローアップ
*戦跡の文化財指定1・9%、風化や資料不足が要因
*戦跡文化財指定-調査の困難さ壁に 市町村、証言収集との両立課題
*識者談話/吉浜忍さん-再調査し保存の議論する時間

Ⅳ 記事で繋ぐ現代と沖縄戦
■「自粛警察」戦前と酷似 牧師・平良修さん(88歳)
*異なる行動許さぬ空気
*軍国少年の記憶と重なる
■終わらぬ女性への性暴力、根底に軍隊の構造問題
*各配備地に慰安所
*“新たな戦争”
*氷山の一角
■沖縄戦証言に圧力-教訓継承を封じる動き
*「震える少女」
*座間味島「集団自決」
識者談話/安田浩一さん-沈黙強いる空気まん延

Ⅴ 戦後75年座談会 沖縄戦の継承を考える
◆戦禍の教訓、次世代へ
〔出席者〕
中山きくさん(県立第二高等女学校白梅同窓会会長)
高山朝光さん(元知事公室長、沖縄ハワイ協会顧問)
宜寿次政江さん(編集者)
石川勇人さん(ピース・ブリッジ代表、沖縄国際大学4年生)
島袋貞治さん=司会(琉球新報編集局社会部長)

Ⅵ 県民、読者と刻む沖縄戦
1.壕(ガマ)の中で
親川委代さん(85歳)/安里一三さん(87歳)/津波高徳さん(86歳)/比嘉初枝さん(83歳)/古波鮫孝子さん(81歳)
2.捕らわれた日
比嘉由照さん(82歳)/大城強さん(82歳)/安里祥徳さん(90歳)/幸地賢造さん(84歳)/山城正常さん(86歳)
3.収容所で
岳原初子さん(86歳)/山入端立雄さん(85歳)/與儀喜省さん(101歳)/豊永スミ子さん(81歳)/宮城定吉さん(85歳)/登川吉雄さん(89歳)/金城潔さん(89歳)

◆エピローグ 戦後80年、100年に向け「悲劇を繰り返さない」誓い