太平洋戦争の収支決算報告
はじめに
序章 日本が戦争をした理由
毎年積み上げられた巨額の軍事費
軍事費確保のために使われたアメリカの脅威
石油1000万リットルを巡る攻防
日本を激怒させた米の禁輸措置解除条件
ハル・ノートは最後通牒だったのか?
巨大経済圏建設の夢が冷静な判断力を失わせる
「大東亜共栄圏」という幻想
背負い込んだ負の遺産はどれほどになるのか?
第一章 戦争に費やされたお金について
危険領域をはるかに上回る巨額の軍事費
異常事態がまかり通る危険な財政運営
国民への借金はすべて踏み倒された!?
徴兵制度により人件費は大幅に節約できた
2等兵の月給は陸海軍とも6円
兵隊と軍馬・軍用犬の待遇を軍事予算から比較
東京に何軒も家が建つ・・・気になる兵器の値段とは?
航空機搭乗員の養成は年間1000人が限界か!?
軍用機の製造と運営にも莫大なコストを要した
桁違いの費用がかかった軍艦の運用
戦争に使った石油は、お金に換算して約6億円
第二章 戦争で失われた人命と財産
太平洋戦争の戦没者は310万人
人命軽視の日本軍、各地の戦場で〝無駄使い〟が目立つ
最も多くの戦死者が出たのはフィリピン
空襲によって本土でも30万人が犠牲に
終戦後も人々は、命の危険に晒されつづける
莫大な費用をかけた軍備はすべて戦争の損益となった
船舶の8割を喪失、海運大国は壊滅状態に・・・
戦争によって徹底的にそがれた生産力
「建物疎開」によって、建造物の被害額はさらに増える
第三章 敗戦で失った植民地と占領地
敗戦によって半減した日本の領土
初の植民地台湾は、不良債権扱いされていた
製糖業の発展で、台湾は黒字経営になる
日本の一部となった朝鮮半島、経済的自立のために多額の資本が投下される
人口は増えるも伸び悩む税収
赤字体質にも勝る朝鮮半島領有のメリット
重工業発展の萌芽が見られるも、敗戦ですべて失う
南樺太の植民地経営の実態
日本にもあったエネルギー資源国になるチャンス
南洋群島は台湾とならぶ〝植民地の優等生〟
多額の投資と移民を集めた夢の大地〝満州〟
満州経営に投じられた巨額の〝事件費〟
投資に比例して急成長する巨大市場〝満州〟
終戦とともに大陸の夢も消滅する
戦火の中国でも、日本からの投資は旺盛だった
第四章 終わらない償い
敗戦後に待ち受けていた〝賠償金〟という責苦
在外資産の差し押さえだけでは足りない巨額の賠償金
一家族あたりの負担額は大卒初任給を超えた
決着まで13年も要した大韓民国との賠償交渉
東西冷戦構造の崩壊でさらなる賠償金が発生する
800万人の元軍人への補償が重くのしかかる
国民年金や厚生年金よりも手厚い軍人恩給
昭和の終焉、突如として現れた戦争の亡霊
「強制連行」の文言が国民感情に火をつけた
〝慰安婦の強制連行〟へのおわびと反省
もうひとつの大きな障壁〝徴用工問題〟
徴用工はどれだけの数がいたのか?
ひっくり返された徴用工への賠償合意
令和になっても償いは終わらない
おわりに
主要参考文献