憲法九条と幣原喜重郎
はじめに
第1章 「幣原外交」の再評価
ワシントン体制と「幣原外交」
中国国民革命と「幣原外交」
「幣原外交」から「田中外交」へ
苦難の「第二次幣原外交」
第2章 幣原喜重郎の戦時生活と敗戦
翼賛政治会加盟への憲兵隊による脅迫
東京山の手空襲で被災
憲法九条の原点となった八月一五日の体験
第3章 アメリカの日本占領政策
原点としての「大西洋憲章」
連合国の占領改革構想
ルーズベルトの戦後東アジア構想
アメリカの対日占領政策の作成
象徴天皇制への道
国際連合憲章と日本国憲法
ポツダム宣言と原爆投下
第4章 幣原喜重郎内閣の発足
マッカーサーとGHQによる日本占領政策の開始
天皇が首班指名に直接関与
天皇、幣原喜重郎へ組閣の大命
幣原内閣の組閣
幣原内閣が直面した敗戦直後の日本社会
第5章 憲法改正作業の始動
天皇が要請した大日本帝国憲法の改正
憲法問題調査委員会の発足
第八九回臨時帝国議会における戦争責任と憲法改正をめぐる議論
憲法改正「松本私案」の作成
第6章 アメリカ政府とGHQによる憲法改正の促進
天皇の「人間宣言」
マッカーサー・GHQを統制する極東委員会の設置
アメリカ政府による日本国憲法の指針の指示―SWNCC-二二八
第7章 マッカーサーとの「秘密会談」における幣原の憲法九条発案と「秘密合意」
幣原喜重郎の「遺言」を聞き取った「平野文書」
幣原首相はなぜマッカーサーと「秘密会談」をもったか
聞き書き資料「平野文書」
マッカーサーの証言による幣原発案の証明
「羽室メモ」による幣原発案の証明
第8章 GHQによる憲法改正草案(日本国憲法草案)作成
マッカーサーによる新憲法作成の指示
「マッカーサー・ノート」の意味
新憲法草案を作成した民政局メンバー
マッカーサー連合国軍最高司令官の〝二つの顔〟
第9章 幣原内閣による「憲法改正草案要綱」の発表
幣原内閣における「松本私案」の審議
〝日本国憲法受胎の日〟
第二回「秘密会談」と幣原内閣のGHQ憲法改正草案受け入れ決定
「憲法改正草案要綱」の発表と反響
入江俊郎法制局長官の証明する憲法九条の幣原発案
松本烝治の幣原発案否定の根拠
第10章 日本国憲法草案の帝国議会における審議と採択
枢密院における審議と裁可
幣原内閣の総辞職と吉田内閣の成立
衆議院における憲法改正草案審議と可決
貴族院における審議と可決
日本国憲法公布
終章
幣原喜重郎が憲法九条にこめた我々へのメッセージ
朝鮮戦争により失われた日本国憲法誕生の東アジアの国際環境
参考文献
あとがき