昭和史七つの裏側
まえがき
序章 記憶を父として、記録を母として、教訓を求めよ―著述家の史料収集とその管理
私にとって史料とは何か
『東條英機と天皇の時代』を著す
指導者の傲岸さを知る
「昭和陸軍の研究」を手がける
史料公開の原則とは
歴史に対しての姿勢
在野の史料管理を考える
戦争世代と女子学生の論争
第一章 「機密戦争日誌」はいかに保存されたか―焼却必須の重要書類が守られた理由
隠された〝戦争指導の息づかい〟
公開された史実
日米戦争を望む作戦参謀
軍人たちの考える百年戦争
開戦後の参謀たちの戦略
第二章 「昭和天皇独白録」の正体―ある匿名投書の昭和秘史
「福沢重信」からの手紙
GHQの工作か
寺崎本への疑惑
第三章 学徒出陣壮行会で宣誓した学生代表の戦場―宣誓学生・江橋慎四郎へのインタビューから
宣誓学生の思い
私が選ばれた理由
緊張して読んだ宣誓文
整備兵としての兵役
軍隊という特殊空間
学生の心境はさまざま
ずっと背負って生きてはいけない
体育学は科学
軍隊の合理的システム
雨はやんでいた壮行会
武道を禁止したGHQ
第四章 逆さまに押した判子と上司・東條英機―東條英機秘書官・赤松貞雄へのインタビューから
長閥に虐げられた父親
几帳面さが敵をつくった
政治家としての東條英機
十月事件未遂の真相
東條が残した最後の「言葉」
「そんなことがあれば運命だ」
天皇との決定的な違い
天皇の存在とは
理念の中に残すもの
海軍が「ノー」といえば戦争はなかった
天皇の意だった東條首相の誕生
東條の感慨を知る
明治維新からの日本を見つめる
軍閥がなかったために孤独を味わう
波乱含みの内閣
引くときはあっさりと
常在戦場を体現した首相
第五章 「日本はすごい」と思っていなかった石原莞爾―石原莞爾秘書・高木清寿へのインタビューから
天皇の憲兵でなく、「東條の憲兵」
石原莞爾が首相になったら
大東亜共栄圏のやり方
石原による戦争構想
「戦争」と「戦闘」の違い
第六章 本当のところが知られていない東条英機暗殺計画―柔道家・牛嶋辰熊へのインタビューから
東亜連盟との出合い
満州協和会東京事務所の風景
浅原逮捕事件の裏側
師は中江丑吉先生
津野田少佐との計画
決行前に東條退陣
第七章 陸軍省軍務局で見た「開戦経緯」の真実―石井秋穂氏との往復書簡から
元佐官との往復書簡
派閥などのこと
開戦に至る経緯などのこと
暗号解読のことなど
それぞれの思惑のことなど
対米交渉のことなど
附記―軍務課とは
あとがき
初出一覧