図書ショウゲン チアン イジホウ000065584

証言治安維持法

サブタイトル1~10
NHK出版新書 607 「検挙者10万人の記録」が明かす真実
編著者名
NHK「ETV特集」取材班 著
出版者
NHK出版
出版年月
2019年(令和1年)11月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
266p
ISBN
9784140886076
NDC(分類)
326
請求記号
326/N69
保管場所
閉架一般
内容注記
監修:荻野富士夫 主要参考文献:p264-266
和書
目次

はじめに
 
序章 声を上げ続ける検挙者たち
百三歳のメッセージ/獄中にいるとき、妻は亡くなった/治安維持法の目的/ロシア革命と米騒動が示した〝民衆の力〟/既存の法律では民衆の思想を抑えられない/狙われていたのは表現の自由だった/そして、治安維持法は成立した
 
第一章 拷問された少女と一人の特高─三・一五事件
データから見えてきた検挙者数の推移/三・一五事件─初めての大規模一斉検挙/共産主義者の娘/少女は連行され、拷問を受けた/書類の上だけの釈放/特別高等警察とは何か/いまも残る、特高の極秘資料/告発された拷問/九十年後のトラウマ/事件に関与した警察官の自伝/
ある特高警察官が誕生するまで/特高警察官の人間性/国内最初の治安維持法適用事件
 
第二章 ある青年教師の追放─二・四事件
大検挙時代の出現/教員たちが一斉に捕まった/事件当時を知る男性が出演を断ったわけ/予想もできなかった検挙/データが語る検挙対象の変化/「死刑」の導入/目的遂行罪とは何か/「思想検事」の誕生/新聞を取り寄せ、配布した罪/背景は「子どもの貧困」/
末端の「影響下分子」も検挙/初等教育「赤化」の波紋/無罪でも職を追われた教師たち/政府の情報戦略が改正につながった/小林多喜二と吉野源三郎/弁護士も裁判官も捕まった
 
第三章 転向させられた人々
転向が当局の大目標となった/利用された家族/学生たちを泳がせた留保処分/裁判官はいかに被告人を追い詰めたか/転向は報道された/末端の教師たちの転向/自己分析を続ける青年教師/教え子を満州へ送り込む国策/国家に積極的に従う国民を作る/
転向を拒む人々をどうするか/転向が戦後に落とした影
 
第四章 言葉を守ろうとした兄─植民地での運用実態
植民地でも適用された治安維持法/公開が進む韓国の資料/ある日、一人の学生が検挙された/反日運動を行う中学生たち/独立運動が治安維持法違反/植民地の独立は「国体の変革」である/法律はまず朝鮮半島で威力を発揮した/水責めに遭った兄/効果が出なかった転向政策/
学生が二年六か月の実刑判決/二十二人が死刑に/明らかにならない獄死の実相
 
第五章 絵を描いて有罪となった学生─生活図画教育事件
十年間の取締りの成果/反ファシズムの動きを取り締まる/特高による「えぐり出し」/宗教への取締り/国体観念を認めなければ有罪/「新」治安維持法の成立/美術教師を目指していた青年/思想善導の末の検挙/限界まで拡大していた検挙対象/犯罪の証拠とされた絵/
本を写し書きした尋問調書/自白調書の証拠採用/ねつ造された証拠/「地獄だったね・・・・・・よく生きていたと思う」/標的となった在日朝鮮人
 
第六章 終戦 治安維持法はなくなったのか
民主化への道筋は示されたが・・・・・・/そして、治安維持法は廃止された/思想検察から公安検察へ/濫用は制定時より懸念されていた/治安維持法の教訓を現代に活かすために
 
終章 それぞれの戦後
大竹一燈子さんの場合/立澤千尋さんの場合/シン・ギチョルさんの場合/松本五郎さんと菱谷良一さんの場合
 
おわりに
主要参考文献