図書キド コウイチ000065573

木戸幸一

サブタイトル1~10
文春新書 1253 内大臣の太平洋戦争
編著者名
川田 稔 著
出版者
文藝春秋
出版年月
2020年(令和2年)3月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
387p
ISBN
9784166612536
NDC(分類)
289
請求記号
289/Ki13
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

はじめに
 
第一章 満州事変と二・二六事件
木戸家の嫡男として/内大臣秘書官長に/満州事変で宮中からのバックアップを拒否/陸軍情報入手の早さ/軍部善導論/政党内閣に国策なし/平和維持路線を否定する理由/鈴木貞一から渡された陸軍資料/五・一五事件の収拾策/新しい首相選定案を作成/
満州国承認と国際連盟脱退/西園寺の期待と危惧/永田鉄山暗殺/二・二六事件で反乱軍鎮圧を上申/亡き永田のアドバイス/陸軍の権力構造の変容/近衛が首相就任を拒んだのは?/内大臣秘書官長を辞任
 
第二章 近衛内閣入閣と日中戦争
首相指名の主導権が元老から内大臣へ/近衛内閣の成立/日中戦争と近衛/トラウトマン工作に反対/内閣改造と対中政策転換の試み/昭和天皇への不満/近衛内閣総辞職/同盟締結への焦り/右翼の反英運動を放置
 
第三章 「宮中の要」内大臣に就任
第二次世界大戦勃発/「英国の勢力を駆逐」/内大臣に就任/西園寺の懸念/戦前国家体制における天皇/陸海軍と天皇/内大臣と天皇/近衛の推薦、陸軍の歓迎/「総合国策十年計画」と陸軍の戦略方針/国民総動員と新体制運動/陸軍だけでは総動員ができない?/
昭和天皇の新体制運動批判/陸軍の「国策」が近衛内閣の「基本国策」に/「時局処理要綱」の決定/「英米可分」の論拠/ドイツの攻勢/陸軍、木戸に近衛再出馬を要請/新首相選定案を上奏/第二次近衛内閣発足と西園寺の不満/「憲法尊重」「英米協調」を省かせる/
荻窪会談で論じられた「世界政策」/木戸の奇妙な「沈黙」
 
第四章 三国同盟を容認
軍事同盟と対ソ国交調整/「秀吉が毛利と和して・・・・・・」/天皇にどう説明したのか/西園寺に何も伝えず/「また逃げだすようでは困る」/北部仏印進駐問題/超国家主義の強化/「最後の元老」の死
 
第五章 日米諒解案をめぐって
対南方政策の展開/汪兆銘政権承認で和平は絶望的に/田中新一作戦部長の就任/「英米不可分」論への転換/日ソ中立条約と松岡構想/日米諒解案届く/「対蘇戦争を始むる気遣い無用」/日米諒解案とは何か/日米妥協の可能性/日米諒解案は三国同盟と両立する?/
軍部も諒解案を承認/松岡外相の反発/近衛と松岡の対立/アメリカ、「融和」から「強圧」へ
 
第六章 独ソ開戦という誤算
四国提携の瓦解/松岡の対ソ開戦論/武藤vs.田中の戦略対立/退けられた田中の早期開戦論/松岡外相の失脚/首相への野心を抱いた松岡/近衛「三国同盟再検討」を考える?/木戸はそれでもドイツの力を信じていた/対ソ武力行使を断念/南進が招いた「予期せぬ事態」/
ルーズベルトは石油禁輸に反対していた/真のねらいは日本の「北進」阻止/「取り返しのつかざる国難」/近衛、日米首脳会談を提案/十年間は臥薪嘗胆
 
第七章 日米首脳会談案の挫折
ルーズベルトの「仏印中立化案」/軍部の意向を離れて/〝三ヵ月程度の時間稼ぎ〟/水泡に帰した首脳会談/参謀本部の戦争決意/態度が定まらない海軍/木戸が演出した「四方の海」/天皇発言までの経緯/陸軍内にも受け止めの差/せめぎあう車の両輪/辞意をもらす近衛
 
第八章 なぜ東条を選んだのか
海軍「勝利の自信はない」/東条の動揺/御前会議の再検討をアドバイス/「海軍は近衛君一任」/昭和天皇が木戸に語った「戦争終結の手段」/近衛内閣の終焉/木戸と東条の対話/皇族内閣案の浮上/「あまり突然なるに驚く」/木戸の皇族内閣反対論/東条首相指名をリード/
東条に白紙還元を求める/なぜ木戸は東条を選んだのか/東条内閣の発足と陸軍/ただちに国策再検討へ/東郷外相の「乙案」/嶋田海相、突然の大転換/裏目に出た木戸の選択/ハル・ノートへの反応/開戦の正式決定
 
第九章 木戸内大臣の〝戦争〟
東条の戦争指導を宮中から支える/陸海軍の戦略の分離/武藤軍務局長の解任/木戸はミッドウェー大敗を知っていた/大東亜省問題をめぐって/田中作戦部長の罷免/独ソ戦の帰趨/戦略家を失った陸軍/イタリア降伏の衝撃/木戸の「戦争終結」策/
サイパン陥落と「決戦後講和」論/木戸の〝情報統制〟/航空機資材をめぐる反目/反東条に一変/三つの要求を突きつける/ついに倒閣工作へ/宇垣派の小磯を擁立/フィリピン占領と本土決戦計画/重臣たちの直接上奏を認める/昭和天皇に戦争終結を説得/
ドイツ降伏と対ソ交渉/時局収拾案を起草/宮内大臣への転任を勧められる/鈴木貫太郎との連繋/対日参戦を決めていたスターリン/陸軍の不穏な動き
 
第十章 「聖断」の演出者として
ポツダム宣言発表/原爆投下とソ連参戦/鈴木首相も勅裁を求めていた/「聖断を仰ぐの外なし」/バーンズ回答と陸軍クーデター計画/終戦へ/陸軍善導論の内実/近衛との関係/昭和天皇との関係/歴史的な位置づけ/反英路線から対米戦回避へ/「やはり〝貴族〟であった」
 
おわりに