戦後日本漢字史
はじめに
第1章 終戦と漢字
1-1 国語ローマ字への模索
戦後の教育改革
アメリカ教育使節団報告書
日本の文化に対する無理解
ローマ字表記の提案
漢字の難しさ
複雑な形、音や使い分け
戦前における漢字規格の作成
臨時国語調査会の常用漢字表
標準漢字表「簡易字体」の登場
漢字読み書き調査
調査の目的と結果
1-2 当用漢字表の制定
標準漢字表の再検討
当用漢字表の前段階試案—「常陽漢字表」
短期間にまとめられた東洋漢字表
漢字表の適用範囲
漢字の配列について
「当用漢字表」の配列
「当用漢字表」ということば
ルビの廃止も山本有三の方針
強いられた「書き換え」
なじめない書き換え語
古希と古稀
わかりにくい「交ぜ書き」
あまりに急な作成
1-3 それからの当用漢字表-「別表」と「音訓表」
当用漢字別表
当用漢字音訓表
1-4 「当用漢字字体表」の制定
なぜ異字体ができるのか
異字体のランクづけ
簡略化字体とは
簡略化字体の採用活字字体整理案の作成
活字設計の基準
字体選定の方針
「等線体」という書体
字体表はだれが書いたか
「当用漢字字体表」の問題点
示ヘンと衣ヘン
別々の文字を一つにすることの功罪
≪犬≫はなぜ≪大≫になったのか
字源主義の排斥
第2章 常用漢字表への道のり
2-1 人名用漢字の制定
国語審議会と常用漢字
子供の名前に使える漢字
最近の名前あれこれ
2-2 それからの「当用漢字表」
当用漢字表に対する補正と新聞界
2-3 表音派と表意派の対立
漢字廃止論の隆盛
漢字擁護派の抵抗
吉田富三の提案
方針の大転換
2-4 常用漢字表への動き
新しい漢字表への動き
「常用漢字表案」
常用漢字表の基本的性格
印刷字形と手書き字形
女はツノを出さない!
制限から目安へ
第3章「書く」時代から「打つ」時代へ
3-1 機械で書けない文字
漢字制限のもう一つの論拠
コンピューターの登場
六三〇万円のワープロ
3-2 「鷗」と「鴎」-表外字の字体
ワープロの普及
ワープロに対する賛否両論
漢字の多様化と文体の変化
JIS漢字コード
放置された表外字
3-3 表外漢字字体表
表外字は「鬼子」だった
「表外漢字字体表」の作成
表外字使用の実態
三部首許容
第4章「常用漢字表」の改定
4-1 「己」と「巳」は同じか
IT機器への適用
「包摂」という考え方
JIS側での対応
4-2 「改定常用漢字表」の性格
情報化社会における「漢字使用の目安」
書けなくても読める漢字
シンニョウの点の数
印刷字体と手書き字体は別のもの
固有名詞について
手書き文化とは
あとがき
年表
文庫版あとがき