現代日本メディア史の研究
はしがき/初出一覧
第Ⅰ部 メディア史研究の視点
ラジオのもたらした社会的波紋
メディア受容と「暮らしの美意識」
新しい音の文化・ラジオヘの好悪
騒音としての「隣のラジオ」
娯楽メディア観の諸相
戦後の社会風俗とラジオの聴取形態
雑誌『女性』と中山太陽堂およびプラトン社
中山豊三のプラトン社
「クラブ式」広告・宣伝戦略
中山文化研究所のフィランソロピー
雑誌『女性』の執筆者群
プラトン社の解散と『女性』の終刊
大衆ジャーナリズムの源流〝小新聞(こしんぶん)〟の成立
〝小新聞〟の形態的特徴
新聞奨励策と〝小新聞〟
民衆教化の先兵・旧戯作者の転身
勧善懲悪イデオロギーの方便化
「放送の公共性」に関する論議の歴史と展望
概念の多義性と「いいかえ主義」の歴史
日本におけるラジオ放送開始前後の事情
戦前戦中の「公共性」はどうであったか
NHK・民放二本建て放送制度の出発をめぐって
電波三法成立前後の「放送の公共性」論議と民放の初志
「実態的放送の公共性」論の系譜
一九七○年代以降のメディア環境の変化と「放送の公共性」論の展開
多メディア化・多チャンネル化、放送の国際化に関する若干の課題
第Ⅱ部 戦時期日本のラジオ論と新聞広告
初期普及段階における放送統制とラジオ論
国策メディアとしてのラジオ
放送開始期のラジオ・メディア観
社会学者によるラジオ論
意識統制の道具としてのラジオとその批判
戦時統制下における新聞広告―朝日新聞社〝神風号〟と日中戦争期を中心に―
一九三七(昭和一二)年前後の『朝日新聞』広告収入の推移
広告企画の盛況とその主要事例
〝神風号〟の成功と『大阪朝日』二万号記念
一四段制実施と広告料
九州支社・名古屋支社の発足
「朝日案内会」結成まで―広告主、代理店の動向―
用紙統制の推移
特高による広告検閲の事例
『大阪朝日』にみる新聞広告統制の強化
減頁による広告収入の減少
一五段制実施と扁平活字の採用
広告料値上げの停止令と各種料金
『大阪朝日』創刊六〇周年
四本社制実施から共販制へ
『大阪朝日』広告部編『広告法規と制限』について
「新聞広告自粛協議会」の結成
あとがき
人名索引/事項索引