少年の眼に映った満州

まえがき
増補版のまえがき
　
1　鞍山と昭和製鋼所の歩み
　
2　満州へ
日本内地よりも活気のあった満州／僕たち一家の紹介／下関・釜山を経て、鴨緑江を渡る
　
3　鉄の都・鞍山
大正時代に街がつくられた〝鉄の都〟／三階建てアパートでの暮らし／満州の食べ物や風物詩／翌年、小学校に入学／放送局で長唄を披露したお母ちゃん
　
4　港町・営口
営口にあった料亭「京の茶屋」／営口で見た映画と歌舞伎／営口の悲劇―敗戦直後にソ連軍が進駐
　
5　ベローとアミー
心強い用心棒・ベローと特技はネズミ捕りのアミー／犬たちとの暮らしと別れ
　
6　空襲だーっ
最初の鞍山空襲／二回目の鞍山空襲
　
7　七嶺子村へ疎開
鞍山の東にある鉱山の村・七嶺子村／お父ちゃんの出征と弟の誕生／村での遊び／映写会と江戸川乱歩／占部さん姉弟と霊峰・千山
　
8　日本の敗戦
平穏な生活の中の不安／僕も満州残留孤児になっていたかもしれない
　
9　お父ちゃんの復員
成田山のお守りが身代わりに?／閑話休題　僕の水難と火難
　
10　手島二等兵の脱出行　その一
隊からの離脱を許可した中隊長／賭け事で蓄えたお金が役立つ
　
11　千山事件(七嶺子村事変)
敗戦後も続いた日本軍部隊と八路軍の戦闘／八路軍による制圧／大胆なお母ちゃんの行動／当時の動き
　
12　手島二等兵の脱出行　その二
脱走のチャンスはトイレ休憩／レンさん・ワンさんとの再会
　
13　再び鞍山へ(レンさん一家の献身)
二階建てアパートでレンさん一家と同居／レンさんとお嫁さんとお母さん／五十川さんとの再会とその脱走劇／旧軍人をかくまえば連帯責任／閑話休題　都都逸やぼでも
　
14　ソ連軍の進駐・撤退と鞍山争奪戦
ソ連軍による製鋼所設備の解体撤去／ソ連軍の撤退後、八路軍と国民党軍による争奪戦／日常になった市街戦と敵対陣営の銃殺刑／僕たちの耳元をかすめた銃弾
　
15　困窮と弟の死
栄養不足で僕は夜盲症に／戸籍上は記録のない正坊
　
16　引揚げ
葫蘆島三銃士物語／僕たち一家の引揚げ／一主婦の終戦引揚の記
　
17　帰国、そして故郷福山へ
博多の病院で入院生活／福山の地で元気に／地震で壊れた廃材で家づくり／五十川さんとの後日談
　
18　七十余年の時を越えて
渕上学級の同級生が見つかりました!／語り継ぐことの難しさ
　
19　鞍山・七嶺子村紀行(あれから七十四年)
出発／鞍山へ／千山・七嶺子村／再び鞍山市へ／閑話休題／鞍山での夕食／再び、鞍山チルマンホテル／大連へ／大連での夕食／帰途へ／今回の旅を振り返って
　
あとがき
増補版のあとがき
参考文献