巣鴨の父
序にかえて(山折哲雄)
第一章 仏縁に恵まれて
十三歳で仏門に
上京、師との知遇
太山寺住職を拝命
学業と修行
護国寺の麦飯を忘るることなかれ
チベット学の権威・河口慧海に師事
日本北アルプス巡礼
『蔵漢対訳大日経住心品』
チベットに経典を求めて
慧海の影響
雑司が谷時代
大正大学に奉職
『曼荼羅の研究』をめぐる論争
高平寺住職を拝命
第二章 真言密教を西洋へ
豊山派の命で欧州留学
観音様の御加護
旅客船・榛名丸より
困苦の留学生活
パリのお正月
密教思想仏訳の志
パリで弘法大師一千百年御遠忌法要と講演
三編の仏文著作
仏文『大日経の研究』でパリ大学博士号
フランスに密教を紹介す
激浪を越え帰国
慈覚大師円仁の誕生地を論証
日米和平交渉のため渡米
大正大学の要職歴任
小岩の正真寺に転住
第三章 「巣鴨の父」として
巣鴨プリズンの教誨師となるまで
二代目教誨師に就任
身命賭した助命運動
「田嶋先生と死刑囚」
巣鴨プリズンの慰問
仏教的ものの見方
巣鴨プリズンで病に倒れる
昭和二十七年の年賀状―講和発効へ
還暦祝賀会を巣鴨在所者が主催
護国寺に「身代り平和地蔵尊」
『世紀の遺書』と愛の像
『世紀の遺書』序文
法務大臣から表彰
第四章 利他行の生涯
地蔵尊の日、不帰の客に
学問的功績
合掌する心
正真寺に「隆純地蔵尊」
「隆純地蔵尊」縁起
隆純大僧正奉讃歌
「ああ隆純地蔵尊」法話放送
仏文『両部曼荼羅及密教教理』の出版
二十五年後に遺著再刊
仏文『両部曼荼羅及密教教理』書評
半世紀後のパリで御遠忌法要再び
隆純ゆかりのパリ大学と薩摩館へ
正真寺で帰朝報告法要
妻フミの短歌
第五章 論稿集
白蓮社より―戦犯家族への書簡(田嶋隆純)
生のよろこび(田嶋隆純)
教誨雑感(田嶋隆純)
戦犯死刑囚助命嘆願の回顧(田嶋隆純)
〝助命嘆願〟の回想(田嶋隆純)
戦犯死刑囚と大正大学(田嶋隆純)
田嶋隆純先生を偲んで(倉林幸三郎)
『世紀の遺書』―「反知性主義」に陥らないための必読書(山折哲雄)
BC級戦犯助命に奔走した「巣鴨の父」の生涯(山折哲雄)
父・田嶋隆純の思い出(田嶋澄子)
田嶋隆純年譜
著作・関連文献
あとがき
編著者を偲ぶ
新版あとがき