イタイイタイ病と戦争
はじめに
第一章 明治近代国家と神岡鉱山 日清・日露戦争とイタイイタイ病
明治黎明(れいめい)期の神岡鉱山
三井と神岡鉱山
明治政府の鉱山政策
神岡鉱山で煙害激化
近代日本初の対外戦争 日清戦争
神通川の鉱毒被害、新聞記事に
神岡鉱山を変えた日露戦争
亜鉛採取の新技術導入
第二章 亜鉛も国家なり 第一次世界大戦とイタイイタイ病
銅は国家なり
最初の患者発生は一九一一(明治四四)年頃
第一次世界大戦に参戦
鉛・亜鉛の需要増大、鉱毒被害はさらに大規模に
日本経済減速、生産合理化へ
第三章 国策と棄民の連鎖 日中戦争とイタイイタイ病
鉱毒被害拡大
侵略への軍事行動
三井財閥総帥(そうすい)暗殺
本格的な戦時統制経済に
発病相次ぐ昭和初期
ひとつまみの骨
カドミウムによる健康被害の実態
三井財閥と戦争経済
第四章 戦時大乱掘と未熟練鉱員大動員 太平洋戦争とイタイイタイ病
開戦―戦時経済の膨張
神岡鉱山の動静
未熟練鉱員の戦時動員
聖戦完遂の兵站(へいたん)基地、神岡鉱山
銃後の神通川流域
毒水の中で農業生産増強要求
第五章 戦後復興、人間被害明らかに 朝鮮戦争・ベトナム戦争とイタイイタイ病
敗戦直後の虚脱と混乱
財閥解体へ
朝鮮戦争勃発
証言 大変な病気への予感
それは「イタイイタイ病」と呼ばれた
行政もメディアも無視
ベトナム特需と高度経済成長
イタイイタイ病 政治の舞台に
第六章 戦後七五年 今、何が問われているのか
〝イタイ、イタイ〟の絶叫
イタイイタイ病は「公害」
嘘っぱちの戦さ
三井がはがやしい
イタイイタイ病、現在の課題
戦後七五年
おわりに
イタイイタイ病と戦争 戦後七五年 忘れてはならないこと 関連年表
出版にご協力いただいた方々
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