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『女工哀史』を再考する

サブタイトル1~10
失われた女性の声を求めて
編著者名
シャール サンドラ 著
出版者
京都大学学術出版会
出版年月
2020年(令和2年)2月
大きさ(縦×横)cm
22×
ページ
ix,495p
ISBN
9784814002313
NDC(分類)
366.38
請求記号
366.38/Sc1
保管場所
閉架一般
内容注記
博士学位請求論文「『女工哀史』言説についてのもう一つの視点-戦前日本における女性製糸業労働者の生活世界」 (京都大学, 2006年) をもとに加筆修正したもの 引用・参考文献表: p469-488
和書
目次

序論
日本の製糸業に暗い影を落とした「女工哀史」的な視点の発生
〈女工哀史言説〉という眼差しの修正の試み
〈女工たちの声〉の分析による「女工哀史」的視点の再検討
普通の声なき人々に声を与えること
本書の構成について
 
第一部 日本の製糸業
戦前までの日本の製糸業の発展
日本における初期の製糸労働者
近代的な製糸業へ―「富国強兵」と官営富岡製糸場
機械製糸業の発達と出稼ぎ型労働者
第一次世界大戦から昭和恐慌にかけての製糸業
第二次世界大戦下の製糸業―軍需産業への転換の時代
 
第二部 〈糸ひき歌〉の分析―製糸女工の失われた歌声を求めて
〈糸ひき歌〉とは何か
糸ひき歌という総称
糸ひき歌の由来
糸ひき歌の成立
糸ひき歌の歌唱とその機能
糸ひき歌の伝達
糸ひき歌の主題と言葉遣い
糸ひき歌と製糸工場へ働きに行くこと
「うちが貧乏で十二の時に売られて来ました」
「いい娘」―親に対する義務を果たす女性のイメージ
「男は軍人・女は工女」―国のために働く女性のイメージ
歌から女工の教化へ
糸ひき歌と製糸工場における労働の世界
女工と労働―工場の「いやな煙突」
女工と賃金―「糸は気まかせ気は糸まかせ」
女工と上司
糸ひき歌と製糸工場における生活世界
工場内の生活様式
工場の食べ物―「ギスじゃあるまいし瓜ばかたべて」
女工と工場内における風紀
女工と工場から想う故郷
糸ひき歌と製糸女工の自己表象
工場内の自己表象
女工と戦前日本の社会の女工観
 
第三部 製糸女工の聞き取り調査の分析
ライフ・ヒストリーに即した製糸女工の〈声〉の分析
〈ライフ・ヒストリー〉という総称
明治後期から昭和初期を生きた七〇名の声
語り手を探し出す
コラム 「外国人女子学生」によるインタビュー
製糸工場に出るということ
就職理由
女工になることに対する認識
製糸女工と工場労働の世界
「私達は働くっきりだった」
工場での歌―歌われなくなっていた「糸ひき歌」
女工と工場内のヒエラルヒー
女工と報酬・消費生活
工場生活(寄宿生活)の記憶
辛いこと
楽しいこと
製糸女工と労働争議という抵抗形態
製糸女工を組織することの困難
語り手と労働組合・労働争議
製糸女工の経験についての表象
女工の経験と「女工哀史」的な社会観に対する認識
「苦労すること」・「辛抱すること」の重要性と意義
結論
 
附論
女工の募集方法
戦前の機械製糸工程
女工の労働時間
女工の賃金制度
製糸工場内の寄宿舎の設備と衛生
女工の教育
付録
糸ひき歌
労働争議に関連する糸ひき歌
聞き取り調査の語り手
参考資料
あとがき
引用・参考文献
索引