大連・空白の六百日
- サブタイトル
- 戦後、そこで何が起ったか
- 編著者名
- 富永 孝子 著
- 出版者
- 新評論
- 出版年月
- 1986年(昭和61年)7月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 523p
- ISBN
- NDC(分類)
- 210.76
- 請求記号
- 210.76/To55
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 大連関係年表: p508-513 参考資料一覧: p520-522
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに
第1章 青天白日旗ひるがえる
父に詫びた私/ワンピースを着てみた羽田澄子/死の恐怖から救われた山田洋次/「ジャズが聞ける」と糸居五郎/〝赤紙〟から解放された古江光雄/青天白日旗に胸熱くした武井満男/見事な残照に包まれた大連
第2章 それまでの大連、わが家は・・・・・・
日ソ確執の地/それまでのわが家/ハルビンに〝逃避行〟/敵艦に囲まれた大連湾/芙蓉高女校門がスパイのアジト/ソ連満洲侵攻、その日の山田関東軍司令官/祖国から棄民された日
第3章 「大連」最後の一週間
関東州庁の終戦処理対策/〝玉砕〟を宣告する柳田司令官/先細りになった銀行/命懸けの二億円現金搬入作戦/右往左往するのみの市民/恩を返す中国人使用人/大連放送局ソ連軍の手に
第4章 ソ連軍進駐、赤旗の街ダルニーへ
ソ連軍使を迎えたジョージ川口/〝大連〟再び〝ダルニー〟に/巨大な戦車、わが門前に/市内各所でSOS/危機一髪、〝牙〟逃れた母と私/一日で右側通行へ/腰巻の赤旗で報復する女たち/「政治運動は厳禁」とヤマノフ/民族同一基準の食糧配給に/骨抜き官庁の苦悩/赤い慰問
袋
第5章 日中市民の激突をこうして避けた
はね上がった在郷軍人、聖徳街を危機に/革命児の亡骸の上に播いた大根/人質覚悟で工作隊本部へ/日中感動の握手/〝同志に〟と誘われた時実
第6章 挺身した女たちは・・・・・・
第7章 熱意示す二代目司令官コズロフ
「男に困難はない」と叱咤/再開された学校の教育方針/「私はロシア語は学びません!」/日本人学校は次々に合併/向学意欲燃やす中国人/医療機関の開放と機能衰退
第8章 誤解から襲撃を受けた学生寮
鬱積晴らすコンパが暗転/感銘受けた抗日兵士談/包囲された寮、一斉襲撃/逮捕された父帰る/抗日兵士〝銃殺〟の学生救う/黒板の柩に眠る学生/仏語で結ばれた父とソ連文官ペギ/日出校星野教師も犠牲に
第9章 大連をめぐるソ・米・中
ソ連軍進駐の大連を偵察する米空軍/米海軍とソ軍ワシレフスキー元帥、大連神社に/大連埠頭で米ソ小競り合い/大連神社を護った中国青幇頭/水野宮司の民間外交/消えた重慶派遣市長の〝噂〟/「中ソ友好同盟条約」知る市民/蔣介石の肖像画販売で捕わる/
国民政府大連上陸を拒否したソ連/「アメリカの失敗」ヤルタ密約
第10章 日本行政機関の崩壊
今吉長官ら三部長シベリアへ/警察関係者の一斉逮捕/〝きんつば〟と〝紙屑〟に思いを託して/なぜ残された別宮市長/高碕達之助、別宮に救援懇請/市政府誕生、日本残留民に告ぐ/寂寥感にひたる別宮
第11章 〝群れ〟で自衛した日本人
〝腕章〟と〝群れ〟/「治安維持委員会」と「遼東学友同盟会」/実力持った「大連職工総会」/中ソ連絡機関「中ソ友好協会」/日本人協力の「中国経済建設学会」/大連二世による「大連日人青年奉仕団」/人民解放を謳う「大連日本人民主主義連盟」/
「日本人労働組合」設立に動く
第12章 戦後の戦い、それぞれ
地震と毒物パニック/桃色のソ連軍票/工場解体撤去と大連図書館/琴線をかき鳴らしたソ連兵の合唱/意気消沈、ソ連軍革命記念日/命懸けの密貿易と密出国/「物価は上がる、オレは下がる」と記して自殺
第13章 労組誕生・与えられた革命
砂を噛んだ元旦/二十余万日本人を握る労組誕生/罪人扱いされた旧有力者たち
第14章 大連脱出、引揚をマ元帥に直訴した三人の勇者
三十六年後に発見した〝勇者〟/神父の祈りの中を出発/信念の丸山、資金と企画の新甫、若さの武蔵/メリノール教会、レイン司教の助力/密かに葫蘆島を視察/マッカーサーに直訴の悲願成る/NHKラジオで引揚を訴える/ついに葫蘆島から引揚決定/満洲に再入国、重責果たした
武蔵正道/高碕も密使を派遣
第15章 大連の舞台に立った人々
〝青い鳥〟を求めた私/羽衣座の役者円生と志ん生/手縫いのドレスで歌った藤沢嵐子/ソ連軍司令部お抱え楽士・ジョージ川口/大連のジャンヌ・ダルク/大連のルーズベルト、大谷光瑞
第16章 働く喜び知る女、こども
母は料理人、私は売り子/いきいきと働く女たち/わが家で屈辱の商い/貸本屋に精を出す弟/語学を教え、靴を修理する父/南京豆を売る山田洋次、大商人・岩見隆夫/豆腐売る子、昆布採る教師
第17章 社会主義体制のなかで
保安隊中隊長の求婚と三度目の立退き/八路軍将校になった用務員・唐/保安隊員に噛みつく/「日僑」と呼称、「住宅調整」も敢行/労組運動とその批判/ネクタイが明太子に/「日本人のこども買います」
第18章 引揚発表後の空白の謎
引揚決定、ソ軍、労組に業務委任/市政府の軟禁作戦にソ連怒る/市民の協力で施設作り/引揚船現れず、こっくりさん流行る/なぜ遅れた、大連の引揚/米・ソ間で「大連事件」発生
第19章 男たちの慟哭
最後の授業/路上の雛祭り/借金に回る白髪の父/男たちの慟哭/日本人が支払った大連への賠償金
第20章 さよなら大連
ふたつの混乱/屈辱の〝実態調査〟/倒れた父と収容所へ/船底の水滴に耐えて/大連の〝氏神〟の引揚
第21章 花の下で逝った別宮市長と父
温かかった血の絆/ソ連大使館への出頭/別宮大連市長自決の謎/花に送られて
おわりに
資料篇
資料
大連関係年表
人名索引
参考資料一覧
協力者一覧
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