沖縄の歩み
まえがき
凡例
一 けわしい戦争の雲ゆき
太平洋戦争のいきさつ/「大東亜共栄圏」のからくり/本土に迫るアメリカ軍の反撃/住民の疎開と対馬丸の遭難/身近な戦火/沖縄の重要な地理的位置/沖縄の日本軍兵力
二 沖縄戦の悲劇
悲劇の幕あけ―慶良間の「集団自決」/アメリカ軍の無血上陸/日本軍の作戦計画/攻防三カ月/住民の犠牲/日本兵による住民殺害/悲劇の終幕―久米島の惨劇/差別と結びついた悲劇
三 古代の沖縄と琉球国の成立
沖縄の先史時代/動きだした沖縄の歴史/中国との結びつき/万国の橋渡し/琉球文化の黄金時代/首里王府の刀狩り/中央集権の制度と文化
四 江戸時代の琉球
打ち寄せる本土の波/薩摩軍の琉球侵略/島津氏の基本方針/薩摩藩島津氏の植民地支配/人頭税と民謡/砂糖の専売制/民衆と政治家とのへだたり/社会制度の移りかわり/文化の移りかわり/異国船の渡来と「外藩」琉球
五 明治時代の琉球
日本軍の台湾遠征と琉球藩の設置/琉球処分―琉球王国滅ぶ/中国にゆずられようとした宮古・八重山/「大和」への非協力運動と日本政府の弾圧/支配階級の懐柔と旧慣の温存/同化政策と皇民化教育/人頭税廃止運動と旧慣の改革/謝花昇と参政権獲得運動/
同化の一応の「完成」と本土なみ制度の適用
六 大正・昭和前期の沖縄
つづく半植民地の状態/戦争直前の軍国主義教育
七 アメリカ軍政下の沖縄
敗戦直後の捕虜生活/恒久的軍事基地建設の準備/日本復帰運動の開始/理想の祖国と現実の日本/「政府」あって「人権」なし/住民の抵抗とアメリカ軍の弾圧/伊江島の武力土地接収/伊佐浜の武力土地接収/CICの拉致と拷問/アメリカ兵による幼女暴行殺害、主婦射殺事件/土
地を守る闘いの発展/土地闘争の分裂と「赤い市長」の誕生/軍用地問題の「妥結」と革新陣営の分裂/通貨のドルへの切替えと日米新時代の幕あけ/あらたな日本復帰運動の発展/ベトナム戦争と沖縄住民の反戦復帰闘争/〔抑止された二・四ゼネストとコザ暴動〕/
予想される困難な前途と希望
あとがき
解説 国場幸太郎と本書の成り立ち(新川明)
解説 『沖縄の歩み』について(鹿野政直)