流言のメディア史
- サブタイトル
- 岩波新書 新赤版 1764
- 編著者名
- 佐藤 卓己 著
- 出版者
- 岩波書店
- 出版年月
- 2019年(平成31年)3月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- iv, 289, 7p
- ISBN
- 9784004317647
- NDC(分類)
- 361.45
- 請求記号
- 361.45/Sa85
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 2013年冬-2015年秋 『季刊 考える人』 (新潮社) に8回連載した「メディア流言の時代」を再構成の上、大幅に加筆したもの 2016-2018年度科学研究費助成研究・挑戦的萌芽研究 「誤報記事と新聞批判のメディア史的研究」 (研究代表者・佐藤卓己, 課題番号:16K12549) の成果の一部 主要引用文献: 巻末p1-7
- 昭和館デジタルアーカイブ
はじめに―デジタル時代にこそメディア史的思考を
一九四〇年の「フェイクニュース」批判/SNS有害論とウェルテル効果/サイバー・ノマドの「つぶやき」/「メディア流言」とは何か
第1章 メディア・パニック神話―「火星人来襲」から始まった?
バーチャル・リアリティーの日常世界/災害パニック神話/弾丸効果パラダイムという神話/「火星人来襲」のドラマトゥルギー/新聞のパニック報道とその影響/古典『火星からの侵入』の問題点/メディア流言で得をしたのは誰か
第2章 活字的理性の限界―関東大震災と災害デモクラシー
プレ・ラジオ時代の「宇宙戦争」/自警団はパニックだったか/中山啓『火星』の予言/災害ユートピアと朝鮮人虐殺/鈴木庫三日記の「朝鮮人来襲」/新聞機能の停止と無線通信の傍受
第3章 怪文書の効果論―「キャッスル事件」の呪縛
「秘密」社会と「テロのメディア」/「キャッスル事件」とは何か/ロンドン軍縮問題と海軍の輿論指導/右翼新聞による「事件」捏造/「実名」暴露とキャッスル裁判/キャッスル事件の心的外傷
第4章 擬史の民主主義―二・二六事件の流言蜚語と太古秘史
流言の社会性/新聞紙の統制派と怪文書の叛乱派/情報不在の新聞号外、情報統制のラジオ放送/「知的であり反省的であり批判的である」流言/日本主義の科学的論拠/太古秘史の参加民主主義/流言蜚語は潜在的輿論
第5章 言論統制の民意―造言飛語と防諜戦
ニュース紙からメモリー紙へ/「流言蜚語を造る人々」/流言蜚語から造言飛語へ/「支那事変に関する造言飛語に就いて」/「宣伝人」を育てない言論統制/戦意と流言の逆相関/戦時流言と防諜の効果
第6章 記憶紙の誤報―「歴史のメディア化」に抗して
朝日新聞「慰安婦報道」問題/『新聞の「噓」』(一九三二年)/与太記事「弁当とムッソリーニ」/新聞界の機雷(一九四二年)と特攻賛美(一九四四年)/「歴史のメディア化」と「八月ジャーナリズム」
第7章 戦後の半体制メディア―情報闇市の「真相」
戦後新聞の原点―真実の隠蔽と検閲の隠蔽/ラジオ番組《眞相はかうだ》の逆効果/カストリ雑誌『眞相』の誕生/「反天皇制」の炎上ビジネス/反米メディアと半体制メディア
第8章 汚染情報のフレーミング―「原子マグロ」の風評被害
風評被害というフレーミング/起点としての「ビキニ水爆実験」/「原子マグロ」騒動の新聞報道/「放射能パニック」への対抗プロパガンダ/「新聞は世界平和の原子力」/「ビキニ成金」と「イワノフのコップ」
第9章 情報過剰社会の歴史改変―「ヒトラー神話」の戦後史から
弾丸効果とヒトラー神話/ナチスが月から攻めてきた!/新華社が伝えた「和服姿のヒトラー」/日本にさまよふヒトラーの亡霊/ステレオタイプ視された『アンネの日記』破損犯/元少年Aのコミュニケーション戦争
おわりにかえて
説得コミュニケーションとしての流言/「真実の時代」の到来?/情動社会のメディア・リテラシー
あとがき
主要引用文献
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