昭和生まれの満洲育ち
序文 (龍谷大学名誉教授・木村勝造)
著者まえがき
凡例
第1章 満洲の奉天で迎えた終戦
第2章 ソ連軍入城―戸を叩く音がして地獄が始まった
第3章 悲惨な日本人難民
第4章 満洲の日本人―ユン・チアン『ワイルド・スワン』の嘘
第5章 略奪国家=ソ連
第6章 満洲引き揚げ
第7章 共産主義幻想をもたらした米軍の情報統制―検閲と東京裁判
第8章 九州大学入学―共産党活動と脱党
第9章 大山遭難―「生き延びる可能性は四分くらいだろう」
第10章 東北の吾妻山―大阪市立大学ワンゲル部の学生を看取った衝撃
第11章 桃山学院大学就職―教師への転身
第12章 建国記念日制定にかんする公述人体験と後悔
第13章 初心の復元力
第14章 マルクス経済学の全面的批判の開始
第15章 教授昇任審査―審査委員たちは私の論文を非難した
第16章 大学紛争―左翼暴力を放任する大学で
第17章 私を狙った左翼暴力集団―人違いの教授が襲われて負傷
第18章 矢面に立つ―二晩徹夜の団交
第19章 脳腫瘍の摘出手術―そして後遺症
第20章 龍谷大学―終(つい)の職場
第21章 執筆制限の危機
第22章 『資本主義と共産主義』の出版―両極端の反応
第23章 エディンバラ留学―生れ故郷に帰ったようだった
第24章 エディンバラの人々―絶滅収容所行き列車から逃げ延びた我が家主、ヤドヴィガの奇跡の生涯
第25章 ソ連崩壊を迎えたマルクス主義者たちの豹変
第26章 「金子さんが殺されないで定年を迎えるとは奇跡」
補足篇
第27章 「世界共産主義」を目指す毛沢東思想の国家
第28章 人間社会を結ぶ紐帯(ちゅうたい)=商品交換を仮象と曲解したマルクス理論―血縁共同体を社会と誤解して始まった誤謬(ごびゅう)の体系
第29章 現実を逆様(さかさま)に描いたマルクス理論―唯物弁証法という名の論理倒錯(とうさく)法、つまり詭弁法