石川達三の文学
あとがき(李盛煥・柳沢遊)
はじめに
第一章 リアリズム作家(第一回芥川賞作家)の誕生―『蒼氓』
『蒼氓』の世
『蒼氓』の意味するもの、その思想
リアリズム小説の方法と石川達三
第二章 戦争の「真実」を描く―『生きている兵隊』
あるがままの戦争
作者の意図は何であったのか
筆禍事件
第三章 『生きている兵隊』再検討―日中の評価史を比較しながら
戦時下における『生きている兵隊』(および石川達三)評価
戦後における『生きている兵隊』評価
日中両国における最近の評価
第四章 「戦争協力」への第一歩―『武漢作戦』に始まる
戦時下および戦後の日本における『武漢作戦』評価
戦時下から戦後へかけて、中国における『武漢作戦』評価
『武漢作戦』の問題点―「戦争協力」への第一歩
作家であり続けるために
『武漢作戦』直後―「多作・乱作」の時代
第五章 戦時下における「戦争協力」(1)―日本文学報国会を中心とした「文芸銃後運動」との関わりを軸に
戦時下における石川達三の活動(年表)
日本文学報国会の活動
「誓ひの会」のこと
「作品集」未収録(未発見)の文章「寄中国女性」に関して
第六章 戦時下における「戦争協力」(2)―二つの「戦場」、「徴用」から敗戦まで
前線の「戦場」―「徴用」(海軍報道班員)へ
無給嘱託―国内へ
もう一つの「戦場」―銃後
第七章 「再転向」―敗戦後の再出発
「過去」への処し方―忘却と記憶
「反省」なき再転向
「民主主義」の実行とその行方
第八章 悔恨と希望(期待)と―『風にそよぐ葦』論
なぜ「横浜事件」だったのか―『風にそよぐ葦』執筆の契機
「書くために体験する」―本作の成立に関わる石川達三の体験
社会に訴える文学
第九章 その後の作家活動
反骨の精神―『人間の壁』
流行作家へ
「自由」論争