近代朝鮮の境界を越えた人びと
図版一覧
福沢一郎 略年譜
序章 本書の視点と課題(木村健二)
本書の課題と研究動向
境界を越えた人びと
本書の構成
第一章 近世初、西日本地域の「朝鮮人集団居住地」について(尹裕淑)
はじめに
被虜人の帰還と日本残留
日本体験記にみる被虜人の生活
西日本の朝鮮人集団居住地
おわりに
補論 近代日本の「被虜人」末裔をめぐる状況・認識―旧薩摩藩の陶工村を中心に(宮本正明)
第二章 大韓帝国期の「お雇い外国人」に関する研究―平式院の日本人技術者井上宜文の事例(金明洙)
はじめに
渡韓までの前史
大韓帝国の技術者としての活動
日帝強占期における井上の企業活動
おわりに
第三章 「鮮満一体化」政策期の在朝日本人の「満洲」地域移動(柳沢遊)
はじめに
「鮮満一体化」政策の形成と展開
日本人の勢力圏内移動―一九一〇~二〇年代前半期を中心に
おわりに
第四章 国境を渡った「国家」―間島朝鮮人社会(李盛煥)
はじめに
朝鮮人の間島移住と間島問題
間島の人口推移と日本の朝鮮植民地支配
間島の農業と社会関係―土地所有関係をめぐって
日本の介入と間島の政治化
おわりに―解体された「国家」
第五章 豊南産業株式会社による「南洋農業移民」―朝鮮総督府との交渉を中心に(今泉裕美子)
はじめに
南洋庁の移民募集と豊南産業株式会社の事業
南陽庁および豊南産業株式会社と朝鮮総督府の交渉
慶尚南道、慶尚北道への斡旋要請から「輸送」まで
おわりに
第六章 在朝日本人鉄道従事員の戦時と戦後(木村健二)
はじめに
朝鮮総督府鉄道局への就職
職場での状況
敗戦・引揚げ・再就職と植民地の記憶
おわりに
第七章 在日朝鮮人の「戦時」と「戦後」―協和会末端組織の担い手を中心に(宮本正明)
はじめに
アジア・太平洋戦争期における協和会関係者の位置・役割
日本敗戦後における旧協和会関係者の帰趨
おわりに
第八章 送還と帰還―植民者二世・小林勝の戦後(崔範洵)
はじめに
朝鮮戦争期の強制送還と戦後日本
大村収容所と朝鮮人の強制送還
植民者二世・軍国少年の敗戦
「慟哭」の行方と五〇年代の青年自殺
おわりに