図書目録ニホン センリョウ ト ハイセン カクメイ ノ キキ資料番号:000063947

日本占領と「敗戦革命」の危機

サブタイトル
PHP新書;1152
編著者名
江崎 道朗 著
出版者
PHP研究所
出版年月
2018年(平成30年)8月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
510p
ISBN
9784569841298
NDC(分類)
210.76
請求記号
210.76/E95
保管場所
閉架一般
内容注記
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

はじめに―敗戦後の日本を襲った「敗戦革命」という危機
 
序章 「敗戦で平和になった」という誤解
日本の敗戦後に訪れた「最大の危機」
ソ連の戦略どおりに世界各地を襲った「敗戦革命」
最初は猫なで声で「統一戦線」を呼びかける
弾圧のための態勢づくりから恐怖政治へ
日本はメイン・ターゲットであった
アメリカと中国で準備されていた対日「敗戦革命」工作
占領下での「敗戦革命派」対「保守自由主義者」の暗闘
 
第一章 ルーズヴェルト民主党政権下での対日「敗戦革命」計画
ルーズヴェルト政権内部の「工作員」たち
コミンテルンの工作員はいかにアメリカ国内に浸透したか
大きな影響力を誇ったシンクタンク・太平洋問題調査会(IPR)
コミンテルンはいかにIPRを乗っ取ったか
「親中反日プロパガンダの牙城」としての活動
赤い編集者トーマス・ビッソン
「天皇排除論」へ舵を切るコミンテルンのスパイたち
コミンテルン史観の吹聴者ハーバート・ノーマン
日本破壊を目論むビッソンとノーマンの共闘
対日占領政策を理解するうえで重要なOSS(戦略情報局)
共産主義者を招き入れ、コミンテルンに乗っ取られたOSS
日本を分裂させ、相互不信を増幅せよ
ソ連の対日参戦を可能にするための「無条件降伏政策」
苛酷な占領政策で日本社会を徹底的に改造せよ
アメリカと日本の戦略的発想のあまりの落差
 
第二章 中国共産党による対日心理戦争
相手国を支配し、操る「影響力工作」
戦前の日本で結成された「中国共産党日本特別支部」
日本留学経験者を活用した「敵軍工作部」
敗戦革命の担い手として日本人捕虜を活用せよ
中国共産党が推進した「対日心理戦争」
捕虜の扱い方を規定した恐るべき極秘マニュアル
「軍国主義者」対「抑圧された人民」という二分法
「日本人への共感」が思想改造工作の手段に
「二分法」の悲劇―「人民」弾圧体制
 
第三章 戦時下での米中結託と野坂参三
野坂参三はコミンテルンによって延安に派遣された
より多くの日本兵捕虜を敗戦革命のために訓練せよ
「厚遇」と「二分法」のセットが洗脳の強力なツール
国民党政府を貶めつづけた「三人のジョン」
中国共産党との連携を模索するディキシー・ミッション
「日本兵の洗脳は可能だ」
天皇を使って「天皇制」を廃止せよ
敗戦革命を推進する「野坂参三内閣」構想
ひそかに連携していた中国共産党、野坂とOSS
ルーズヴェルト政権と中国共産党の「協力関係」
 
第四章 近衛上奏文と徹底抗戦の謎
「無条件降伏」を主張する「ウィーク・ジャパン派」の優勢
貴重な情報を握りつぶしてソ連仲介和平案に賭けた愚
共産党との連立政権を容認していた木戸内大臣
共産主義の脅威を指摘した「近衛上奏文」の背景
「最も憂ふるべきは敗戦よりも共産革命に御座候」
戦争継続は日本を共産革命の危機に叩き落とす
「ソ連のいいなり放題」になることが国体護持?
日ソ交渉の開始と対英米「秘密」交渉の中止
硫黄島・沖縄での奮戦が「無条件降伏政策」押し戻した
「皇室」存続構想を打ち出したグルー
「アメラジア事件」発覚も、皮肉な結果に
無条件降伏の修正に奔走するスティムソン陸軍長官
届いていたシグナル、そして「御聖断」
「私は、先方は相当好意を持つて居るものと解釈する」
「敵」「味方」で分断せず、すべてを包み込む気高い精神
ソ連の「本土」侵略を阻止した占守島の戦い
 
第五章 停戦交渉から逃げ回ったエリートと重光葵の奮戦
戦後処理を一歩間違うと苦難の道に叩き込まれる
「停戦」交渉から逃げ回るエリートたち
東久邇宮内閣、三つの課題
「降伏文書」が明示する「日本の有条件降伏」
「間接統治(日本政府による統治)」を認めた連合国
昭和天皇と重光との会話で明示された保守自由主義
占領軍による軍政を阻止した重光の苦闘
約六百万人もの軍事力が終戦時に残されていた意味
指導者たちの当事者意識の欠如と敵国への迎合
ポツダム宣言を軽視するアメリカの「敗戦革命派」
 
第六章 占領政策という名の日本解体工作
日本敗戦後、再びウィーク・ジャパン派が台頭
「天皇制」解体を暗に奨励する対日指令
日本民主化という名の「日本解体」指令
検閲によって否定された「言論の自由」
対外情報機関「同盟通信社」の解体
革命の担い手を日本社会に解き放て
ハーバート・ノーマンが進めた日本共産党幹部の釈放
「天皇制」打倒の人民戦線構築への訴え
大学での軍事研究禁止もGHQの指示
皇室を利用しつつ皇室を解体する政策
国民精神の基盤を掘り崩そうとする「神道指令」
「神道指令」に明快な反論ができなかった日本
公職追放という名の大規模な「粛清」
 
第七章 GHQと日本共産党の蜜月
中国共産党、GHQ、日本共産党―「敗戦革命派」の連携
GHQ内部に潜んでいた「革命の同志」たち
「生産管理闘争」をけしかけるGHQ
すさまじい勢いで組合員数が増え、争議件数も跳ね上がった
ソ連に指示を仰ぐ野坂参三
野坂参三の帰国を「英雄的」に報じた『朝日新聞』
役者が揃い、遂に現実化する「敗戦革命」の危機
 
第八章 昭和天皇の反撃
昭和天皇が「新日本建設に関する詔書」に込められた真意
皇室と国民の絆は変わらず
「もう一つの玉音放送」と食糧メーデー
「皇室御物を食糧にかえて国民の飢餓をしのぐようにしたい」
貴官は日本の生活水準の維持になんらの義務をも負わない
食糧援助の「約束」を果たさせるための吉田茂の奮闘
危機の真っ最中に始められた「全国御巡幸」
敗戦後も、昭和天皇を大歓迎した国民たち
昭和天皇はストライキの現場にも乗り込まれた
退けられた左右の全体主義
 
第九章 仕組まれた経済的窮乏
革命は少数のエリートによって起こる
ウィロビーに「ゾルゲ諜報団」の危険性を伝えた日本人
GHQに入り込んだ「ソ連の協力者」たち
監視対象を日本の軍国主義者から共産主義者へと変更
敗戦革命の担い手としての労働組合
日本共産党系労組を支援するGS
暴力的な労組への日本政府の取り締まりも認めない
GHQの輸入制限が日本の経済的苦境を招いた
労働組合に産業の主導権を認めるかのような財閥解体
窮乏する国民を救済する予算を奪った「終戦処理費」
公職追放で日本の政界を「左旋回」させよ
「共産主義者の政権奪取への道を開く」GHQの政策
ウィロビーと吉田茂の反転攻勢
 
第十章 敗戦革命を阻止した保守自由主義者たち
労働争議参加人数の急増と高まるゼネストへの動き
GHQの窮乏化政策に対抗した石橋湛山蔵相
民間企業への増税を阻止せよ
「一六原則」を掲げて攻撃を仕掛けてきた極東委員会
「不逞の輩」演説、そしてゼネスト宣言の決議
「明日にでも革命が起って、人民政府が誕生するかもしれぬ」
さらに猛然と盛り上がるゼネストへ向けた動き
出回った「人民政府の閣僚リスト」
マッカーサーのゼネスト禁止命令
ゼネストはかろうじて回避された
地下活動と武装蜂起―なおも続く蠢動
なぜ「十月攻勢」は実を結ばなかったか
GHQに浸透したソ連の工作員たちを排除
「敗戦革命との戦い」を踏まえた戦後史を
 
おわりに―米軍元将校の警告

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