大政翼賛会のメディアミックス
序章 「翼賛一家」というまんががあった
角川メディアミックスの起源として
第1章 メディアミックスする大政翼賛会
新日本漫画家協会が「版権」を「献納」/召し上げられた「版権」
翼賛会に協力金/企画スタートまで十日間
古川ロッパの動員/「翼賛一家」は失敗だったのか
ユビキタスなメディアミックス/一元的統帥/村山知義のメディアミックス
メディアミックスの実験工房/戦後編集者はプロパガンダ技術者だった
第2章 「町内」という世界
世界観としての「町内」と「隣組」/「隣組」は伝統ではない
都市政策としての「隣組」/「翼賛一家」の隣りの記事は/刷新される戦時下の「日常」
「隣組」に何故「垣根」がないか/「隣組」と岡本一平
「翼賛一家」と「サザエさん」「山田くん」の日常
第3章 創作する「素人」たち
「投稿する人」の誕生/近衛新体制による「協同」
「素人演劇」における「協同」の実践/「翼賛一家」と素人演劇
「厚生運動」としての演劇や歌唱/岸田國士と素人演劇運動
素人参加のための方法論/翼賛一家を人形劇で/翼賛人形劇の展開
三冊のマニュアルを読み解く/翼賛会宣伝部による「人形劇叢書」
第4章 隣組からニコニコ共栄圏へ(資料提供・蔡錦佳)
八紘一宇に広がる「翼賛一家」/台湾で活躍する大和家
台湾で、まんが「翼賛一家」が始まる/台湾での「皇民化」運動
数少ない台湾での「動員」の実例/「ニコニコ運動」で感情の一体化
「ニコニコ」と死ぬ
第5章 手塚治虫は「翼賛一家」を描いたのか
いくつかの証言/手塚版「翼賛一家」の可能性
「勝利の日まで」に隠されたキャラクター/『勝利の日まで』という二つの映画
まんがによる「文化映画」をつくる/日常に浸透する「文化映画」
戦時下の芸術論の立ち位置/手塚治虫がまんがで試みたもの
付論 文化工作とメディアミックス
「漫画を描く読者」の成立(鈴木麻記)
一九三〇年代中国漫画のメディアミックス―「牛鼻子」を例にして(徐園)
可東みの助の運命―戦時下の編集的人間とその生き方(大塚英志)
あとがき