近代日本労資関係史の研究
序章 研究対象と方法
研究対象
研究史の方法的検討
本書の構成
第一章 日本資本主義と賃労働の構造
産業資本確立期の賃労働
はじめに
製糸・紡績業の賃労働
重工業の賃労働
日本資本主義と賃労働
独占成立期の賃労働
はじめに
技術的合理化の実態
労働力構成の変容
労働条件――賃金と労働時間
労務管理体制の再編・強化
小括
第二章 財閥系造船所の資本蓄積と労資関係――三菱長崎造船所の分析
はじめに
日露戦争前後――経営の確立と労働争議
経営動向
労務管理体制の構造
労働市場の構造と賃金
一九〇七年争議
労務政策の展開
第一次大戦中・後――経営の拡大と労働争議の構造変化
経営動向――高蓄積のメカニズム
労働市場の構造と賃金
労務政策
労働争議の展開
一九二〇年代不況――経営の合理化と労働者の統合
経営動向――合理化の展開
労働市場の構造
労働者の賃金・生活・意識
企業内福利政策の展開
一九二五年解雇反対運動
第三章 一九二〇年代日本資本主義の労資関係――重工業労資関係を中心に
はじめに
工場委員会の成立と構造
工場委員会の成立過程
工場委員会の理念
工場委員会の組織と機能
工場委員会体制の構造と展開
海軍工廠の労働組合と労資関係
軍工廠労働組合の成立条件
組織・路線・要求
「原基的」交渉機構の形成と限界
労働争議の展開と労働争議調停法
労働争議の国際比較
労働争議調停法の性格
事実調停の拡大と機能
小括
第四章 両大戦間期労働組合法案の史的考察
はじめに
戦後「危機」をめぐる官僚とブルジョアジー
戦後「危機」下の労働政策
戦後「危機」とブルジョアジー
一九二〇年代中葉の労働組合法案と官僚・ブルジョアジー
社会局労働組合法案と行政調査会
資本家諸団体の修正意見の構成
若槻内閣労働組合法案の歴史的性格
大恐慌期の労働組合法案と官僚・ブルジョアジー
社会政策審議会
資本家諸団体の運動と論理
浜口内閣労働組合法案の歴史的性格
小括
第五章 「満州事変」期の労資関係
はじめに
二重構造の本格的成立
産業構造の高度化と二重構造
大企業の労働市場と賃金
中小企業の存在形態
労資関係の構造
大企業労資関係の変容
中小企業の労資関係
労資関係編成の諸構想――国家・資本・労働
国家の労働政策
ブルジョアジーの労資関係編成構想
労働組合の労資関係編成構想
小括
第六章 日本ファシズムと労資関係――産業報国会史論
はじめに
産業報国会の成立(一九三八~四〇年)
単位産業報国会の結成
首府県産業報国聯合会の成立と構造
産業報国運動の理念と現実
産業報国会の再編成(一九四一~四二年)
部隊組織化と生産力増強運動
単位産業報国会の再編成
労働者抵抗の拡大
産業報国会の機能喪失(一九四三~四五年)
ダイリューションの進展と労務管理体制
産業報国会の機能喪失
労働争議の展開
日本ファシズムの労働支配――結びに代えて
あとがき