図書目録ベニヤブネ ノ トッコウヘイ資料番号:000063738

ベニヤ舟の特攻兵

サブタイトル
角川新書 8・6広島、陸軍秘密部隊○レの救援作戦
編著者名
豊田 正義 [著]
出版者
KADOKAWA
出版年月
2018年(平成30年)7月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
336p,挿図,地図,肖像
ISBN
9784040822389
NDC(分類)
210.75
請求記号
210.75/To83
保管場所
閉架一般
内容注記
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

まえがき
ベニヤ板製の特攻艇「㋹」/特攻兵が非戦闘員の死を看取らなければならなかった/大君の御楯となりて捨つる身と 思へば軽きわが命かな/被爆地を駆け回った特攻兵は原爆症に苦しめられた
 
第一章 学徒―学生は、戦地へ送り出された
二万五千人の八列縦隊/兵力補充に使われた学生たち/違和感を覚えた来賓の訓示/講道館の門を叩く/「権力に迎合する貴様には天誅を下す!」/「二、三年は徴兵猶予がつづく」と考えていた/開戦直後から軍部は大学生出兵を示唆していた/学生狩り/徴兵検査で評価が一変した/「俺は戦争に行きたくない! 軍隊に入隊したくない!」
 
第二章 志願―見習士官、水上特攻兵となる
「佐倉兵営」/「まるでロボット養成所にいるようでした」/殴る蹴るの懲罰/「将校・下士官・馬・豚・兵」/えんえんと繰り広げられた私的制裁/露骨な機嫌取りで競い合う/後悔した施術がある/玉砕への洗脳/「決死生還を期せざる要員」/
「これが母さんに会える最後かもしれない」/「えっ、江田島に陸軍基地があるのか!?」/「一艇を以て一艦を屠る、それが諸君の任務である」/㋹はベニヤの板だった
 
第三章 開発―技術者の願いは砕かれた
特攻作戦の本格化/㋹の研究開発チーム/「これは戦闘だと思って掛かれ」/「人命を救いたい」という設計技術者の願い/ベニヤ板製の㋹「甲一号型」の完成/「特攻隊なんだから、体当たりしかない」/技術者たちの望みは打ち砕かれた/戦闘方法大綱に「帰還」「生還」の文字はなかった/十五~十九歳の少年兵/「これで下士官になれるぞ!」/「みんな今年いっぱいの命だと覚悟して精進してくれ」/「手柄を立てんでもよいから絶対帰ってきてね」/拳銃を口に咥え、引き金を引く
 
第四章 戦場―㋹、戦果をあげ、散る
「捷号作戦」/アメリカのフィリピン侵攻を予想した大本営/隊員の多くがフィリピンに到着できなかった/バシー海峡は〝魔界〟であった/ルソン島上陸/決戦準備は、判断ミスにより瞬く間に瓦解した/隊員は誰ひとり残っていなかった/㋹の戦果/隊員たちを「特攻戦没者」として扱わなかった/「私たちには玉砕は許されませんでした」/「身体を・・・・・・、東の方へ・・・・・・、向けてくれ・・・・・・」/総員千四百人のうち、約千二百人が命を失った
 
第五章 敗北―㋹輸送船、爆沈す
第三十戦隊長・富田稔大尉/「憲兵がなんだ! 上等兵のくせに生意気な事を言うな!」/父の背中は小さかった/㋹を貨車で輸送する/慣れからくる失態/出港/「敵機来襲!」/奇跡が起こった/二十二名の隊員が久慈湾で戦死した/㋹はすべて燃えた/三人は沖縄をめざして出発した/「これはとんでもない所へ来てしまった!」/「内地防衛を頼む」/特攻兵同士の友誼/帰還
 
第六章 原爆―秘密部隊は広島を奔走した
全軍特攻化/少年特攻兵の訓練教官となる/機密系将校/本土空襲/親日家が支持した原爆投下/「対日原爆使用問題」/候補地は広島、小倉、新潟、長崎に絞られた/トルーマンの態度は「別人のように変わった」/ポツダム宣言発表前に原爆投下命令は承認された/トルーマンのシナリオ通りの展開/「諸君、我々の運んでいる爆弾は世界最初の原子爆弾だ!」/見習士官の目に映った原子雲/民間人救助は司令官の即断だった/惨状/全隊員、出動/少年兵、突入す/猛火の中を駆け回る/「今は眠る時ではない」/「見ていろ! この仇は必ず取ってやる!」/少年特攻兵たちが見た地獄/広島市民に告ぐ/御前会議/すべての㋹は特攻兵の手で焼かれた
 
第七章 被曝―「戦後」を戦いつづける
㋹の特攻兵たちの戦争は終わらなかった/兵士を襲った被曝症状/当初「被爆者健康手帳」の交付は「直接被爆者」のみだった/症状がもっとも重かった時期には、何の支援もなかった/奇跡的にみつかった特攻隊の戦友名簿/四十代で毎年数人の戦友たちが逝った/「俺が原爆症だと知れ渡ったら、子供たちが何されるかわからん」/㋹特攻兵を襲った被爆者差別/証言は鎮魂であり、警鐘であり、遺言である
 
あとがき
新書版あとがき
主要参考文献
写真について

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