公共図書館の冒険
まえがき―公共図書館の「もうひとつの」可能性(柳与志夫)
第1章 歴史から見直す(田村俊作)
新しい図書館・話題の図書館
無料貸本屋と武雄市図書館
図書館のはじまり
『格子なき図書館』
市民の読書施設へ
多様な担い手・多様な資源・多様な空間・多様な活動
第2章 図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか(小林昌樹)
近代「読書装置」の輸入―新聞縦覧所と書籍館の挫折
読書公衆の出現と図書館の増加(明治末―大正)
先進館の発展と多様性(昭和前期)
新聞・雑誌の扱い―そこで読めなかった本 雑誌のバックナンバー
ラインナップの標準化から画一化へ
戦後の画一化と、それにはまらないものたち
まとめ
第3章 本が書架に並ぶまで(鈴木宏宗)
本はそのままでは棚に並ばない
戦前の様子―大正末から昭和初期
戦後―物資が乏しい時代
図書館サービスの拡大―貸出と業務の外注
コンピュータ登場後―出版流通と情報と機械化
第4章 図書館界と出版業界のあいだ(柴野京子)
図書館と出版業界はいつもvs ?
一九七〇年代の流通問題とジレンマ
本の流通、本の存在―一九五〇年代のポテンシャル
越境する視点―一九九〇年代の地域とコンピュータ、そしてデジタルシフト
第5章 図書館で働く人々―イメージ・現実・未来(河合将彦)
「図書館員のイメージ」の歴史
「図書館員」の歴史
「図書館で働くべき人」の歴史
第6章 貸出カウンターの内と外―オルタナティブな時空間(安井一徳)
公共図書館に対するイメージと実態
戦前の図書館はどう使われていたか
閉架・館内閲覧から開架・館外貸出へ
「貸出」図書館の展開
「貸出しカウンターモデル」を揺るがすもの
問題はどこにあったのか
オルタナティブな時空間を考えるために
終章 何をしたかったのか、何ができるのか(小田光宏)
索引
編者・執筆者紹介