世界史のなかの昭和史
プロローグ 歴史の皮肉と大いなる夢想 長い探偵報告のはじめに
第一話 摂政裕仁親王の五年間 大正から昭和へ
ロシア革命の指導者/レーニンの「遺書」/敗戦後のドイツ帝国/ミュンヘン一揆の失敗/『わが闘争』の刊行/大正時代後期の世相/バーデンバーデンの密約/「排日移民法」の衝撃
第二話 満洲事変を中心にして 昭和五年~八年
欧米列強の中国進出/蔣介石軍の北伐/大国アメリカの理想主義/現実主義への変容/五ヵ年計画と中ソ粉争/石原莞爾の戦略戦術/アメリカの小さな〝反撃〟/「日米もし戦わば」/満洲国建設への道程/リットン調査団報告書への反撥/ヒトラー、権力の座につく/
言論の自由などを剥奪/二つの大国の国連脱退/立役者の勢ぞろい
第三話 日独防共協定そして盧溝橋事件 昭和九年~十二年
突撃隊を虐殺/殺害されたもの千名以上/「総統兼首相」に就任/ソ連の恐怖政治のはじまり/陸海軍それぞれの分裂/ナチス・ドイツへの傾斜/ベルリン五輪と一等国/スペイン戦争と「ゲルニカ」/日独防共協定の調印/スターリンの「大量虐殺」/国共合作が協定されたとき/
ヒトラーに扮した近衛首相
第四話 二つの「隔離」すべき国 昭和十二年~十三年
〝事変〟はなぜ拡大したのか/スターリンの謀略か?/ドイツの軍事顧問団/ドイツとの戦争にあらずや/大本営が設置されたとき/「蔣介石はアホだ」/八時四十七分と九時三十一分/米砲艦パネー号を撃沈/日本へ宣戦布告?/斎藤博と山本五十六/ドイツ首相官邸の機密会議/
「戦線を東へ!」/ミュンヘンの愚かな協定/漢口攻略作戦の下令/ヒトラー・ユーゲントの来日/なぜ日本人はドイツ好きなのか
第五話 「複雑怪奇」と世界大戦勃発 昭和十四年
頑強に抵抗する海軍/スターリンの関心と関東軍/ヨーロッパ情勢の虚々実々/ニューヨーク万博のこと/突発的なノモンハン事件/日米通商航海条約の廃棄/両巨頭の往復書簡/驚倒した独ソ不可侵条約/石橋湛山の名論/第二次世界大戦はじまる/大戦争どこ吹く風?
第六話 昭和史が世界史の主役に躍りでたとき 昭和十五年
独ソでポーランドを分割/冬戦争と〝神ってる〟出来事/無力な米内内閣の成立/アッという間のパリ陥落/「バスに乗り遅れるな」/英本土上陸作戦成るか/バトル・オブ・ブリテン/ドイツ人への親近感/三国同盟交渉のはじまり/海軍が折れた日/オットー大使のペテン/
三国同盟調印のあとに/唯一の〝敵国〟として/「日米戦争は避けられるか」
第七話 「ニイタカヤマノボレ」への道 昭和十六年
もっとも輝ける祭典/モロトフ、ベルリンに行く/バルバロッサ作戦の発動/野村を駐米大使に任命/アメリカ大統領の年頭教書/松岡外相の訪欧の旅/ヒトラーの悪魔のささやき/モスクワ駅頭での抱擁/日米諒解案の行方は?/謎に包まれたヒトラーの書簡/天皇のきびしい質問/
米英のソ連への接近/「可分論」と「不可分論」/よもの海みなはらからと(・/ドイツ軍の快進撃/陸海軍統帥部の衝突/モスクワ前面で立往生/ヒトラー、挑発に乗らず/あとは陸海軍の番だ/モスクワ前面での大反攻/対米英戦決断の日
エピローグ 「ソ連仲介」と「ベルリン拝見」 敗戦から現代へ
八月や六日九日十五日/昭和二十年の悲惨の裏に/第三帝国の遺跡を訪ねて/ヒトラーの遺言
あとがき
関連年表
参考文献