1964東京五輪聖火空輸作戦
プロローグ―昔むかし、極東の島国で
日本人が共有している「成功体験」
第1章 オデッセイの始動
1 東京に五輪のチャンス再来
終戦後わずか七年でのスタート 一九六四年へプロジェクト再起動
2 アジア競技大会聖火リレーの試み
東京五輪の壮大な「予行演習」 空輸器が「P2V‐7」であった理由
3 ついに走り出した東京五輪
九州からやって来た叩き上げの男 東京に五輪旗が揚がる
[東京五輪を巡るエトセトラ①]東京大会招致・影の貢献者
第2章 オデッセイの原点
1 東京五輪聖火リレー計画のルーツ
一九六〇年八月一二日、オリンピア 後付けの「伝統」だった聖火 「幻」の聖火リレー計画とその影響
2 空の時代に突入した聖火リレー
ヘルシンキ大会で聖火ついに飛翔 一気に距離が伸びた聖火リレー
[東京五輪を巡るエトセトラ②]オリンピックハンドリングセンター
第3章 聖火リレーコース踏査隊の黙示録
1 ユーラシア大陸横断という壮挙
ローマは一日にして成らず ディームの主張を体現すべく出発 一八二日におよぶ苦難の旅
2 踏査隊を巡るミステリー
旅半ばでの「隊長」の離脱 「高島ミッション」が急遽始動 シンガポールからの厳重抗議 踏査隊を否定しなければならなかった「理由」
[東京五輪を巡るエトセトラ③]日の丸リレー聖火コース・ラリー
第4章 空から聖火を運べ
1 YS‐11という選択肢
オリンピックと歩調を合わせた復活 当初から組織委員会に食い込んでいたYS‐11 民間機YS‐11であるべき理由 国大聖火リレーコースが見えてきた
2 視界不良のなかを飛ぶ
その日、不安感は少しもなかった 超多忙な男が抱いた秘かな懸念 誰が猫に鈴をつけたのか?
3 国外聖火リレーを巡る暗闘
初飛行勅語の「失速」 集められた航空のプロフェッショナル集団 型式証明どころではなかった 国外聖火リレーコース決定とYS‐11の退場
[東京五輪を巡るエトセトラ④]オリンピック・エッセイ・コンテスト
第5章 始まったカウントダウン
1 これ以上の足踏みはできない
混沌としていた国内聖火空輸 組織委員会に訪れた「師走」
2 オリンピック・イヤーの到来
「高島ミッション2」出発前のゴタゴタ 聖火国外現地調査団を迎えた「熱い」対応 土壇場を迎えての心休まらぬ日々
3 いよいよスタートラインへ
東條輝雄の「作戦」 国産の翼が再浮上 オーダーメイドの「特等席」 聖火コース走破隊の静かなる旅路
[東京五輪を巡るエトセトラ⑤]「幻」の東京大会からの大願成就
第6章 賽は投げられた
1 「シティ・オブ・トウキョウ」号の旅立ち
聖火を待ち受ける動乱の地 ア・ハード・デイズ・フライト
2 オリンピックの母国で
万事さすがのギリシャ流 採火式の主役たち
3 中東からアジアへ
「トウキョウ」号から見た風景 光が失われた日 幻のイラン浴衣娘大集合 「火」を熱望した人々
[東京五輪を巡るエトセトラ⑥]五輪中継のスター・ウォーズ
第7章 聖火が日本にやって来る
1 暗雲垂れ込める東洋の旅
いわくつきの土地へ一人旅 緊張の東南アジア諸国
2 嵐を呼ぶドラゴン
暴れん坊ルビー参上 台風一過、香港を脱出せよ
3 「やっと帰ってまいりました」
その一転を沖縄は譲れなかった YS‐11「聖火」号の晴れ舞台 熱狂と飛行機酔いの一日
[東京五輪を巡るエトセトラ⑦]聖火リレーの光と影
第8章 東京オリンピック1964
1 点火前夜
列島に聖火を「出前」 オリンピアの巫女、東京に降臨
2 点火当日
同じ空の下、ふたつの開会式 聖愛kリレーはまだ終わらない
3 鎮火
聖火は夕闇に消えた オデッセイの果てに
[東京五輪を巡るエトセトラ⑧]東京オリンピック前夜祭
第9章 冬のオデッセイ
1 寒い季節にやって来た聖火
札幌も悲願達成 地味に扱われ続けた冬季大会 冬季札幌を南国沖縄で景気づけ
2 時代は変わる
「持っていた」男の不在 「聖火の季節」の終わり
[東京五輪を巡るエトセトラ⑨]結婚立会人は7万5000人
エピローグ―祭りのあと
黄ばんだ一枚の紙片
あとがき
参考文献
協力