荒勝文策と原子核物理学の黎明
第1編 通史
戦前戦中の原子核研究
アジア最初の人工原子核変換―原子核研究の幕開け(台湾時代まで)
コラム1 加速器の進歩―高電圧加速器とサイクロトロン
コラム2 台湾大学原子核陳列館
高精度の実験原子核物理学―京大における大戦以前の研究
コラム3 水爆のアイディアについての誤解
ガンマ線と中性子による原子核反応の高精度測定の実現―大戦下の原子核研究
コラム4 核分裂の際放出される中性子数
原子核エネルギーの利用と「原爆」の基礎研究
原爆の調査
第1次広島原爆調査
コラム5 原爆投下直後の土壌のベータ線測定
第2次広島原爆調査
大野浦の悲劇(第3次広島原爆調査)と長崎原爆調査
コラム6 大野浦の記念碑と花谷会館
占領下の原子核物理学
占領軍による捜索
コラム7 米国国立公文書館(NARA)
サイクロトロンの破壊
コラム8 ウランの捜索
コラム9 Top Secretとサイクロトロンの破壊命令
占領軍による原子核研究の禁止
荒勝の実験原子核物理学の遺産と占領期原子核政策が残した課題
第2編 資料
資料1 「重水素イオンの衝撃に依る重水素原子核の変転現象」(『科学』5巻4号(1935)):12-14
資料2 「ニウトロンの吸収による重元素原子の分裂」(『物理化学の進歩』13n(3)(1939):108-116)
資料3 `Photo-Fission of Uranium and Thorium Produced by the γ-Rays of Lithium and Fluorine Bombarded with High Speed Protons'(Proc. Phys.-Math. Soc. Japan 23(8)(1941):440-445)
資料4 `The Range of Photo-fission-fragments of Uranium Produced by the γ-ray of Lithium Bonbarded with Protons'(Proc. Phys.-Math. Soc. Japan, 23(8)(1941):633-637)
資料5 `A Type of Nuclear Photo-Disintegration: The Expulsion of α-Particles from Various Substances Irradiated by the γ-Rays of Lithium and Fluorine Bombarded with High Speed Protons'(Proc. Phys.-Math. Soc. Japan 25(3)(1943):173-178)
資料6 「熱中性子ノ重元素原子核ニ対スル作用断面積ニ就イテ 其ノ一 ウラニウム原子核ノ捕獲断面積並ニ総衝突断面積ノ測定」 (花谷暉一 学位申請主論文)
資料7 「荒勝先生のメモ」U核分裂の連鎖反応(July, 1945)
資料8 荒勝文策「原子爆弾報告」1~4(『朝日新聞』(大阪)1945年9月14日~17日連載記事)
資料9 サイクロトロン破壊時の荒勝日誌
資料10 トーマス・スミスの回想記:`Kyoto Cyclotron'(Nov. 27, 1996)
第3編 補論
「キツネの足跡」を追いかける―京都大学所蔵荒勝文策関連資料について(久保田明子)
木村毅一に関する証言と回想(木村磐根)
京大サイクロトロンの歴史を辿って(中尾麻伊香)
年表