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語る歴史、聞く歴史

サブタイトル1~10
岩波新書 新赤版;1689 オーラル・ヒストリーの現場から
編著者名
大門 正克 著
出版者
岩波書店
出版年月
2017年(平成29年)12月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
xii,263p,挿図
ISBN
9784004316930
NDC(分類)
210.6
請求記号
210.6/O38
保管場所
開架一般
内容注記
参考文献:p251-263
和書
目次

はじめに―「語る歴史、聞く歴史」から開ける世界
 
第1章 声の歴史をたどる―幕末維新の回顧録から柳田民族学まで
語る歴史を文字にする試み
人は話を聞き、語ってきた―声と文字のあいだ
前近代における歴史の編さんと聞く歴史
近代の歴史学の成立と政治を聞く歴史
明治時代の速記と幕末維新回顧ブーム
『福翁自伝』
『光雲懐古談』という座談
「話上手」の時代―篠田鉱造の『百話』
声を記述する方法
柳田国男と民俗学の誕生―アカデミズム歴史学への批判
柳田国男の「聞く」
瀬川清子
瀬川清子の「聞く」
戦前の「語る歴史、聞く歴史」
代書屋
声の文化の終焉と黙読の時代
 
第2章 戦後の時代と「聞く歴史」の深化―戦争体験を中心にして
一九五〇~一九六〇年代の「語る歴史、聞く歴史」
画期としての一九七〇~八〇年代
戦後における「語る歴史、聞く歴史」の特質
戦後の政治を聞く歴史
国会図書館の政治談話録音
植民地を聞く歴史
朴慶植の強制連行を聞く歴史
野添憲治『花岡事件の人たち―中国人強制連行の記録』
『沖縄県史・沖縄戦記録』―戦争体験を聞く
『東京大空襲・戦災誌』―戦争体験を書く
沖縄戦を語る、聞く、叙述する―『沖縄県史・沖縄戦記録1』を読む
一九八〇年代までの「語る歴史、聞く歴史」
 
第3章 女性が女性の経験を聞く―森崎和江・山崎朋子・古庄ゆき子の仕事から
女性の経験を聞く動き
森崎和江
聞き書きとしてまとめられた『まっくら』
「聞く」ことへの自覚
山崎朋子
『サンダカン八番娼館』を再読する
『サンダカン八番娼館』へ至る道
山崎朋子と森崎和江
古庄ゆき子
『ふるさとの女たち』
朝鮮人女工二人の聞き書き
「オモニのうた」
記念碑的な作品
森崎・山崎・古庄―女性が女性の経験を聞く
戦後における二つの聞く歴史
 
第4章 聞き取りという営み―私の農村調査から
なぜ、聞き取りにとりくんだのか
私の聞き取りを振り返る
聞く方法と想定外の話
「テーマを聞く」から「人生を聞く」へ
「聞く」ということ―askとlistenのあいだ
桜林信義さんの場合
壁にぶつかった私の聞く歴史
なぜ語ってもらうことができなかったのか
歴史叙述の困難
 
第5章 聞き取りを歴史叙述にいかす
二つの課題を受けとめる―聞く歴史と歴史叙述
沈黙という言葉―askからlistenへ
listenから聞こえてきたこと
試される聞き手―被害の移譲
歴史のなかに「語る歴史、聞く歴史」を置き直す
「語る歴史、聞く歴史」をふまえた通史の構想
『戦争と戦後を生きる』での挑戦
通史への反応
戦後の学問と「語る歴史、聞く歴史」
中村政則『労働者と農民』
吉沢南の場合―難民との衝撃の出会い
聞き取りにおける「資料批判」
『私たちの中のアジアの戦争』の叙述方法
オーラル・ヒストリーの検討へ
「語る歴史、聞く歴史」をふまえた歴史叙述の試み
 
第6章 歴史のひろがり/歴史学の可能性
歴史はどこに?
一九九〇年代以降の現在と「語る歴史、聞く歴史」
なぜ「聞く歴史」がひろがっているのか
介護民俗学の聞き書きの<現場>で
性をめぐる困難を背負った人たちの<現場>から
体験を聞く歴史が成り立つ条件とは?
文字史学と「語る歴史、聞く歴史」、あるいは定義をめぐって
戦争体験を受け継ぐ、受け渡す
自分の言葉に責任をもつ
東日本大震災のあとで―すぐそばにある歴史
継続して聞くなかで
「語る歴史、聞く歴史」の可能性
 
あとがき
参考文献