河川堤防の技術史
はじめに
第1章 序論
河川堤防を取り上げる理由
河川堤防の技術とは何か
河川堤防の技術項目と検討法
第2章 古代から近世初頭までの堤防技術
古代・中世の堤防技術
中世末から近世初頭の堤防技術
戦国末期から幕藩体制確立期の治水技術の性格
第3章 幕藩体制下の堤防技術
幕藩体制下の治水と治水制度
地方書・定法書の出現とその役割
堤防の構造と配置
幕藩体制下の川除普請の性格
第4章 近代技術の導入とその消化―明治の初期から中期まで―
治水制度の改革と治水法規
欧米からの技術導入とその展開
デレーケの常願寺川改修計画における堤防と護岸工法
欧米河川技術の受容
欧米河川技術の消化とその実践
明治中期の近代堤防技術批判
第5章 河川法の制定と直轄高水工事―明治中期から末期まで―
河川法の制定
国内物資輸送体系の変化
内務省直轄改修計画の特徴
第6章 産業構造の変化とその対応―明治43年大洪水から昭和の初めまで―
明治43年の大水害と臨時治水調査会
社会経済状況の変化がもたらした技術課題
土木技術者の増大と治水技術の標準化の動き
河川工学書における堤防技術
大正期から昭和初期の堤防築造の実態
第7章 技術者の自覚と技術の法令化―昭和恐慌から敗戦まで―
昭和恐慌から敗戦までの治水の動きと技術界
河川技術の法令化と標準化
第8章 戦後制度改革と内務省技術の総括―敗戦から昭和30年代中ごろまで―
治水利水制度の改革と治水事業の動き
堤防施工の機械化と請負施工
堤防技術と土質工学
河川砂防技術基準の発刊とその堤防技術
第9章 社会・経済構造の変化に対する対応―高度経済成長から昭和の終わりごろまで―
社会経済状況と治水
河川法の大改正と河川管理施設の構造の基準化
河川技術の担い手の変化と堤防技術
堤防に関する研究開発の動き
河川砂防技術基準(案)にみる堤防技術
河川土工指針の検討とマニュアル化
昭和60年3月の「河川堤防強化マニュアル(案)」における浸透対策
第10章 経験主義技術からの脱却とその帰結―平成時代の堤防技術―
社会の動きと河川事業の課題
堤防技術の指針化の動きと河道計画の変革
河川堤防設計指針における構造検討の考え方
河川堤防の構造検討と堤防築造土工指針との関係性
高規格堤防の設計思想
堤防の維持管理システムの高度化
第11章 今後の堤防技術の課題
河川堤防技術の今
今後の技術課題
おわりに
資料 河川堤防設計指針
索引