戦後日本金融システムの形成
序章 課題と視角
本書の課題
研究史の整理①―高度成長期の銀行史,金融システムの特質に関する先行研究―
研究史の整理②―メインバンク・システムの歴史的起源に関する先行研究―
企業集団を巡る研究
第1章 総力戦体制下における金融システムの変化
はじめに
基調―軍拡財政の展開と国債の日銀引受・市中売却の動向,軍需融資―
国債オペによる信用調節の実施基盤の整備
銀行合同と金融構造の再編成
軍需指定会社金融機関制度の内実
総力戦下における証券市場
戦時金融統制の統合政策としての限界と金融的不安定性
おわりに
第2章 戦後改革期における金融制度改革―インフレ抑制的,産業発展促進型制度の形成―
はじめに
複数レート制から単一為替レートへ―貿易金融制度の効率化と産業育成策への影響を中心に―
長期資金供給制度の形成過程
金融規制の再編成
証券市場の再編成―株式流通市場における大衆市場の形成過程―
(補論)戦後改革期における日本銀行斡旋融資についての研究動向
おわりに
第3章 高度成長期における金融機関経営の変容
はじめに
日本銀行の金融政策
開銀,輸銀の大企業向け融資
興長銀による長期資金供給状況
融資系列の形成と都市銀行経営の変容
六大銀行以外の都市銀行―融資系列形成と結合度を中心に―
地方銀行と相互銀行の階層性
おわりに
第4章 高度成長前半期における証券市場
概観
高度成長前半期における証券市場
終章 総括と展望
戦後日本金融システムの変遷と戦後金融制度改革の画期性
再考―「銀行(メインバンク)による借り手企業に対する規律付け」―
地方銀行以下の業態
戦後日本金融システムが包含した不安定性
戦後日本金融システムが危機的状況に陥らなかった理由
展望
初出一覧
文献一覧
あとがき