安藤百福
第一部 詳伝 世界の食文化を変えた軌跡 波乱とアイデアに満ちた生涯
Ⅰ 若き安藤百福
はじめに
幼少期―生まれた時から「商売」の環境
最初の事業―メリヤス販売で大成功
アイデアを次々に事業化へ
極限状態の中で「食」に突き当たる
Ⅱ 「食」への目覚めと決意
焦土からの素早い再出発
「やはり食が大事だ」
「鉄板に海水」の自己流で塩づくり
闇市で見た原風景
脱税の疑いで巣鴨プリズンへ
信用組合の破綻―財産を失う
Ⅲ チキンラーメンの発明に成功
ラーメンづくりに没頭
天ぷらの原理を応用し、油熱乾燥法を開発
四八歳からの出発
注文殺到、量産へ
国民食への道を歩み始める
生活スタイルの変化という追い風
業界の混乱を収拾へ
Ⅳ カップヌードルの開発―独創の頂点へ
米国でカップヌードルのヒントを得る
めんを「宙づり」にする独創
若者は敏感に反応した
あさま山荘事件をきっかけに火がつく
日本生まれの世界食へ
思いがけない失敗を教訓に
Ⅴ 会長就任、幅広い活動へ
食足世平
会長に就任
大震災とインスタントラーメン
発明記念館の建設
宇宙食ラーメンの開発
「創業以来、毎日食べてきました」
Ⅵ 最晩年を迎えて
取締役退任、創業者会長に
最後の日
第二部 論考 新しいラーメンを創った男 発明家・安藤百福
Ⅰ インスタントラーメンの誕生と拡大
1 二大商品の生みの親
「チキンラーメン」と「カップヌードル」
「ミスター・ヌードルに感謝」
2 イノベーションと市場の成長
一九五八年に歴史がスタートした新しい食品
産業成長と技術革新
国内市場の誕生と成長
商品としての魅力
「ロケットのような離陸」
生産体制の整備
世界市場への急拡大
Ⅱ 開発過程を読み解く
1 発明家としての安藤百福
複雑かつ多面的な人物像
発明家としての安藤百福の特徴
めんの素人?
二大商品の開発と安藤百福の役割
2 挫折、そして決断
四七歳からの発明物語
忘れられない思い出
「魔法のラーメン」開発を目指す
決断の特徴
「ユニークな絵を描く」
3 集中の一年
自分を追い込む
発明小屋の建設
発明小屋訪問
めんづくりから始める
4 安藤百福が創ったもの
五つの目標
トレードオフを含んだ目標
瞬間油熱乾燥法
「待ち受ける心」
ラーメンであってラーメンではない
5 絶対価値のつくり込み
敢えて実行しなかったこと
絶対価値の追求
6 カップヌードル開発への執念
二つのプロジェクトの概略
カップヌードル発売の戦略的狙い
食習慣の壁
年齢と動機
Ⅲ “素人性”とイノベーション
1 発明の方法論
インテルとの相似
結果志向の問題解決
スピードと異能
2 安藤百福の“素人性”
料理の経験
徒手空拳で現場に飛び込む
井深大著『わが友 本田宗一郎』
独創と“素人性”
第三部 人間像に迫る 転んでもただでは起きるな 食は聖職、自分の天職
Ⅰ 安藤百福語録〔抄〕
Ⅱ 安藤百福「食」を語る
インスタント食品と家庭料理
食はあらゆる文化の源流である
「新鮮」は必ずしも食べ頃にあらず
秋こそ滋味の季節なり
精進料理の神髄は「知足心和」の心
豆腐の味がわからなければ
天ぷらは熱と水分のバランスが大事
日本のそうめんは美術工芸品
人間の味覚は気温の差に敏感
人類は「めん類」である
めんとは何か、そんな疑問にとりつかれて
らーめんとは“日本のめん”である
日本語の「ラーメン」はもはや世界の共通語
粗食とゴルフが長寿の秘訣
何も贅沢をする必要はない
食とスポーツが健康の両輪
食べないでやせるより、食べてやせることのすすめ
漬物は和食のデザートである
「食足世平」が私の信念
食を創り、世の為に尽くす(食創為世)
Ⅲ 安藤百福年頭所感
「企業家・安藤百福」略年譜